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内山田洋とクールファイブ&浜田真理子新譜

内山田洋の訃報。クールファイブ。前川清の長いタメの、ギターで言うチョーキングのような歌唱と、無表情に立ち尽くしたスタイルが好きな小学生だった私も、このニュースにコメントするメンバーたちの現在の姿がテレビに映し出されるのを見て、なんとも感じるところのあった一人である。後でサックスのギンさんのブログを見て、何でクールファイブが好きだったのか分かった。欽ちゃんの番組に出てコントとかやってたんですね。私はまだちっちゃかったはずだけど、その後の歌番にも出てたし、あのキャラのはっきりしたメンバーたちの姿は脳裏に焼きついていたわけです。

内山田洋とクールファイブ&浜田真理子新譜_c0007525_1953534.jpg確か当店のライブラリーの中にもレコードがあったはずだと思って探したら、一枚出てきました。「デビュー10周年記念 内山田洋とクール・ファイブ・リサイタル 熱唱!限りなき前進」78年の2枚組です。「長崎は今日も雨だった」から始まって、「逢わずに愛して」「東京砂漠」、当時の新曲だった「二人の海峡」などの名曲が並び、B面はメンバーそれぞれのソロ・コーナー。僕はこのアルバムで、クール・ファイブはコーラス・グループではなく、バンドだったのだと知りました。リーダー内山田洋のギター、いかつい小林さんがベース、ドラムは森本さん、ピアノはメガネに額のあがった宮本さん、サックスの岩城さんの5人組に、リード・ボーカル前川清をフューチャーしたバンドだったんですね。しゃべりでもお客さんを笑わせていますが、ベースの小林さんはなぜか「与作」を歌ってます。そしてなんとバカラックの「ディス・ガイ」を歌っていますが、前川清の恐ろしいほどのカタカナ英語がスゴイです。締めは前川の長いしゃべり(ここでの話題が、僕らもいつか死にます。リーダーなんて一番早く死んじゃう、なんて言って笑わせてるネタだった)の後、ギンさん思い出の「昔があるから」でした。小学生のとき初めて買ったレコードがこんな曲だなんて、ギンさんのその後の音楽生活が丸ごと分かってしまったような気がしてしまいます(笑)。

昔があるから私は 私は生きて行ける
昔があるから私は あなたと生きて行ける

こんなレコードをかけてしまうと、その後に何をかけたらよいのか分からなくなるが、サム・テイラーのムード・サックス「小樽のひとよ」など聞いて、やはり真理ちゃんが聴きたくなってしまった。クール・ファイブの曲だと知らなかった「逢わずに愛して」をダン・ペンの「Do Right Woman, Do Right Man」とメドレーにしてしまうという、暴挙とも思える素晴らしいセンスを披露している浜田真理子内山田洋とクールファイブ&浜田真理子新譜_c0007525_2263952.jpgピアノ弾き語りライブ盤「romance」は、他にも「湖畔の宿」に「Cry me a river」をつなげてみたり、裕次郎の「俺はお前に弱いんだ」などのカバーも秀逸。前作「こころうた」でも、ペギー・リーの「Johnny Guitar(邦題ジャニー・ギター)」と裕次郎の「粋な別れ」をメドレーにしたり、美空ひばりの「柔」、勝新の「座頭市」、島根民謡「安来節」などの素晴らしすぎる弾き語りが聞けます。もちろん痛すぎる自作のラブソングも最高に抜け出せなくなります。そんなことで、年に一度は真理ちゃんのライブに行っているというファンのI君と一緒に、閉店の時間まで口数の少ない真理ちゃんメドレーとなってしまいました。帰る頃には小雨も降り始め、藤沢は今日も雨だった~と、心にも涙の小雨が降るような夜でした。

内山田洋とクールファイブ&浜田真理子新譜_c0007525_1174373.jpg翌日はカラッと晴れて、真理ちゃんのもう出てるはずの新譜を買いに行きました。4年ぶりのスタジオ盤という「夜も昼も」。オリジナル曲ばかりの今回は、ピアノの弾き語りに加えて、各曲一つないしは二つの楽器が加わる感じで、別れの歌ばかりだったような印象の今までに比べて、何とか一緒にやって行きましょう、という歌が多い気がしました。僕のまわりも、別れてしまうことより、一緒にやってゆくことの方が大変というカップルが多い?感じで、そんな僕らの気分にとっても合ってるように思いました。ライブ盤と違って、普段着の真理子さんな質感がこれまた身近な感じがします。大友良英プロデュース、中牟礼貞則さんがギターを弾いてる曲なんかもあります。
Commented by guinn at 2006-11-15 15:01 x
そうだった!クールファイブはバンドだったんでした。何かの番組で(もちろん大昔)、そんな姿をみたことがあったような記憶が・・・。影響はうけてないけど。とは言い切れないですね、やはり。
Commented by barcanes at 2006-11-16 22:05
guinnさん、勝手にネタにしてしまってスミマセン!
クールファイブのソプラノ・サックスの音色がguinnさんに重なったものですから。

今年の忘年会のカラオケは、クールファイブ・メドレーでいくぞ!
by barcanes | 2006-11-06 21:59 | Comments(2)