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天気の良くない平日の夜

9/11(月)〜12(火)

夜になって降り出した雨に濡れて来てくれた客人の、最近の現場の話を聞く。ステューダー(ぶっといマルチトラック・テープの業務用レコーダー)の移設、JBLの「パラゴン」(独特のバックロード設計がなされた歴史的な変態オーディオ・スピーカー・システム)を聞きに行った話、長いこと使われていなかったリゾート・スタジオの草刈り作業など、興味深い話ばかり。

彼は音楽にまつわることならなんでもやっちゃう裏方業者だが、こういう人に音楽生成の現場は下支えされているのだと改めて思う。演奏者もリスナーも。そして私も。ついでに懸念のカセット・インデックスの色合わせも手伝ってもらっちゃった。

以前に一度いらしたことのある客人がレコードをいろいろリクエストしてくれた。初期のシカゴ、アル・クーパーの「フィルモアの奇蹟」、キング・カーティスなど、ブラス・ロックな流れ。同世代で若い頃から同じような趣味の音楽を聞いてきたであろう方と、これらの時代の音楽の話をできるというのは奇跡的なようでもあるし、当たり前のような気もするから不思議だ。

何度も聞いたはずの好きなレコードをリクエストしてくださるのは、自分にとっても知らなかったことを教えてもらえたりして面白い。それに自宅では夜遅くに大きな音で聞けないでしょうし、違う環境でどう違って聞こえるか、というのも興味深いのだと思います。

最近ギターを毎日練習しているという客人に、シンプルな曲だったらとコードの取り方(いわゆる耳コピ)とテキトーな弾き方をやってみせる。それから歌本のコード譜を見ながらなんとなく弾き語りごっこ。タブ譜しか読めないっちゅう初心者にとっては、私の技術でも十分に感心される。

教えてよーって言われても、私は人に教わるのが苦手だし教わったことがないので、教え方を考えるのはやっぱりめんどくさい。上達のスピードは若い頃には敵わないだろうけど、毎日ギターに触るという、そんな熱意が羨ましい。

村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を題材にしたというアンビエント気味の作品”Views of Distant Towns / RF”というのを持ってきてくれた客人と聞く。うる覚えだが読んだはずのこの小説、ノモンハンにタイムスリップする話から、話題は自然と現在進行形の戦争へ。

戦後、というより戦中戦前明治時代に始まり、マッカーサー統治から朝鮮戦争へと到った状況そのままに、現代まで何も変わっていなかったんだと、北朝鮮のロケットがとてもはっきりと教えてくれた気がするねと。全ては宣撫工作と無責任な軍人体質の名残り、というかネチネチとした生き残り。今でも朝鮮戦争は日本でも続いている、という誰も教えてくれなかった現実。
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by barcanes | 2017-10-16 02:33 | 日記 | Comments(0)