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GW最終日のカセット談義

5/7(日)

休日に出勤や講習などが続いたお母ちゃんと、私のような商売をしている父を持ったおかげで、家族でゴールデンウィークらしいことの何もしてもらえなかったなっちゃんと、最終日にせめてもの鎌倉散歩。と言っても夕方に出て、コクリコでクレープ食べて、小川軒でお土産買って八幡宮で亀や鯉に餌をやり、ジブリのお店に寄ってお蕎麦を食べて帰る、という毎度変わらぬコース。なっちゃんはわりと定番を愛する子みたいです。でも一番喜んだのは、デパートで見つけたシルバニア・ファミリーの小物が出てくるガチャガチャだったみたい。

夜は大阪赴任から戻って来ている女史に、2枚ダブっている歌謡曲のシングル盤をあげる第2弾、男性シンガー編。狩人の「あずさ2号」の柳の下的なシングルを聞いて、なんかピンクレディーみたいだねと思ったら同じ作曲家なんですね、都倉俊一。しかも同時期。二人組というのも一緒だ。フィンガー5とシャネルズも同じ作曲家でブルーコメッツの井上忠夫(大輔)なんですねえ。今さら気づきました。面白い。

また戻って来てね、ということで7、8枚プレゼントしました。でも大阪は楽しいみたいで、ちょっと安心した。近所に安くていいお好み焼き屋を見つけて通っているそう。粉物で太らないようにね!

さて先日のカセットテープの話。アメリカはポートランドに「ミシシッピ・レコード」という主にリイシューの自主制作盤のレコードを売っているレーベル兼レコード店があるそうで、まあ有名なんだそうですね。店主は意外にも若くて私よりも少し下ぐらい。幼少の頃からカセットテープに取り憑かれ、何でも録りまくっていたそう。私の友人にも似たような奴がいたな。

ネットやデジタル・メディアには背を向け、売り物はレコードとカセットテープというアナログのみ。それでもネットで調べると商品をネットで売ってるところもあったりするから、日本は便利というか親切というか、何かのこだわりがいとも簡単にへし折られてしまうのが特性なのかもしれない。

まあ嫌味はさておき、記事や店主のインタビューなども出ていたのだけど、どんな商売の仕方をしているかまではもちろん分からなかった。まあとにかくテープに関しては、ミックス・テープなどを割と安価に、瞬発力を持って、しかもラフなラベルを付けて次々に出しているみたいだ。

先日の売れないギター弾きもテープの音色に取り憑かれて、カセットで作品を売り始めているそうだ。先日のアニキにもらった大量のカセットを山分けした。で、最近の私の録音物もカセットで売ったらいい、カセット・レーベルでも興して出せるものがたくさんあるではないか、なんて言ういうわけだ。いや、その手間とか権利関係とかいろいろ考えたらメンドくさいだけでしょ、なんて思ってしまうのも自分の日本人ぽくて嫌なところ。

で、そんな話を最近の当店では数少ない深夜部員にいろいろ喋っているうちに、そのアイデアの面白さの奥にあるものが分かってきた。それは、大量生産や工業製品が我々に無意識的に強いているような、複製主義に対するアンチテーゼなのだ。何らかの決まりに従った、一定のものでなければならないような観念に対するアンチ。つまり「一点もの」であろうとすることのふくよかさや潔さ。もしかしたらデータ的同一性からの逃避もあるかもしれない。(カセットの音はシャザムできなかったりする。)

カセットへの入れ音は常に同一である必要もなく、毎回違っていて良いのだ。真実の音は既にそこにはなく、ライブにあるのだから。問題は、音の基準を客観的に保てるかということ、そしてダビングの手間や時間ということになるが、そんなカセット・レーベルをやることの妄想話をしているぐらいが一番楽しいところなのだろう。

だいたい妄想を実現させた試しがない。思っているようにはけっして進まないが、しかし思ってもいなかったようなことに自分が転がっていくのも確かではある。そして私は人を巻き込むことが苦手で、自分でできそうなことしかできない。さてどうなることでしょうか。

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人もややまばらなGW最終日の夕刻、八幡宮上空ではトンビが集会を行なっておりました。ゴールデンウィークの獲れ高や今後の方策について語り合っているのでしょうか。


by barcanes | 2017-05-10 03:37 | 日記 | Comments(0)