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大人のご飯代わり

4/14(木)

小雨の降り出した夕方に親子3人で横浜中華街へ。義姉にプレゼントしてもらった食事券で豪華10品コース。予約した時間はいつもの晩ご飯の時間より早いというのに「なっちゃんもうお腹すいて動けない」と、4歳と1ヶ月の娘は何か食わせろアピール。まわりは食べ物でいっぱいですからね。でもなっちゃん、チュウカガイというものが把握できていないようで「チュウカガイまだ?」今歩いているここがチュウカガイのど真ん中ですがな。

店内で子供にご飯食べさせてたり、爺さん婆さんがニコニコ座ってるような家庭的なお店はたいてい美味しいような気がしますが、このお店も感じの柔らかい、気持ちの良いお店。愛想の良い娘さんが切り盛りして、生粋の商売の血を感じさせます。塩卵という広東の家庭料理で作られるものが名物だそうで、その塩卵の入った大皿の茶碗蒸しが美味しかった。

なっちゃんは前菜、スープと猛烈に食欲をかき立てられ、「クラゲをオカワリする!」「次まだ来ないの」と焦りを隠さずにいたものの、やはり後半に失速。ちゃんとお腹いっぱいになりました。味付けも控えめでとても良かった。「龍鳳酒家」というお店でした。

酒家とは言え特に酒を注文しろという圧力もなく、お茶で済ませようと思っていたのだが、やはり前菜の蒸し鶏にネギとショウガの付け合わせみたいのが出てきちゃったりして「やっぱお父さんビール頼んじゃおうかなー。」

さて雨も強くなり静かな夜。味が薄めで肉が好きじゃないカミさんの目の前では醤油をかけづらい男たちで食べ物の話。塩味はさ、身体動かしてる人とか大事だしさ、酒場なら酒を飲ますには塩多め。でもホントはさー、刺身に醤油にご飯でいいんだよねー、とは某和食店主。でも中華に最初からご飯もらっちゃったらコース食べきれなくなっちゃうしね。やっぱりお酒はご飯の代わりなんだろうね。さっさと次持ってこい、ご飯持ってこいっていうのは、まあ子供でさ。ご飯食べたくなっちゃうところをお酒でいなす、っていうのが炭水化物控えめになっちゃった大人の嗜みってやつなのね。

つまみの要らない店主としては、ビールに油は美味しくない、揚げ物ポテチも最悪、中華にビールも美味くはない、ビールには何も要らない派なのですが、それは酒を主とするからですね。○○をつまみに酒を飲むということ、酒を食事の脇役とすることを憎んでさえいますからね。

飯は飯、酒は酒。そんな文化もあるにはある。私の考察では、家庭での親の食生活によるのではないか。家でおかずをつまりに晩酌してから最後にご飯という親と、家で晩酌しない親。前者の子はつまみながら飲むのを好み、後者の子は酒は酒だけを好む。私は当然後者になる。

しかしこうして、量を食えなくなった大人のご飯代わりなのだと割り切れば、粗雑に扱われるビールやお酒(ワインはよく分からぬ)の気持ちも分からぬでもない。いろいろ夢も希望もあったけどよ、まあ仕方ねえじゃん。ホントは主役にもなれたのよ。でも欲を言っても切りがねえしよ、世の中ワキ役も必要なのよ。残されなきゃいい方よ。一人で立ってる気になってんのは、まだまだ子供っちゅうわけよ。

ちょっと前まで杏仁豆腐が苦手だったなっちゃんは美味しくそれを平らげ、瓶ビールの最後の残りを「飲みなさい」と、お母さんのマネをしてコップにお酌してくれました。

雨降る深夜に久しぶりに若き日のトム・ウェイツ。スタジオ・ライブなのかラジオ音源か、この頃のブートレグはどれも音は比較的良いですね。
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by barcanes | 2016-04-15 14:57 | 日記 | Comments(0)