人気ブログランキング | 話題のタグを見る

青春18切符で新潟へ

朝7時に家を出て湘南新宿ライン、鴻巣で快速アーバンとグリーン車で乗り継いで高崎まで。グリーン車は51キロ以上同料金なので、ラッシュ時の湘南新宿ラインでも950円で3時間ずっと寝ていける。谷川山系へと思しきデカいザックの登山客の目立つ上越線で水上、乗り換えてその次の「湯檜曽」という駅で降りた。下りの地下ホームから吹き出す冷たい風に押さえて外に出ると、郵便局しかないような寂しい駅前だ。振り返ればコンクリート造りの駅舎がなぜかそこだけ近代的。

5分ほど歩いて日帰り入浴できる温泉宿に入った。窓の外には川が流れ、雨が降ったり止んだりでなかなかの旅情だ。風呂に入ったり上がったりで、電車の冷房で冷えきった身体を温めた。列車の旅には上着が必要だった。

朝、とりあえずの着替えだけ詰めて、雨がザーッと降ったので傘を一本持って家を出た。出てすぐに「あ、上着」と思ったけど、取りに戻らなかった。おかげですっかり夏風邪を引いてしまった。

今回の旅は「青春18切符」の旅。学生の頃以来か。5枚セットで買わなきゃいけない切符だが、最近は金券ショップやヤフオクなどで取り引きされているようで、一枚からバラで買える。相場はだいたい一枚3300円と全国決まっているらしい。3枚使いたければ5枚綴りを買って2枚売る。2枚使いたければバラで買ったほうがいい、というのが定説となっているようだ。

私が見つけたのはヤフオクで3180円、要返却というもの。残りの分を同封の封筒でいついつまでに送って返す。そんな信用の世界があるもんなんですねえ。面白い。そんなことで、ヨメと子供が帰省している新潟まで新幹線で3時間足らずで着いてしまうのもつまらないので、行きは一人で鈍行の旅。帰りは妻子と一緒に新幹線。

さて一日5本(うち一本は夏期の増発列車)しかない上越線は、昼前後に2時間の間隔があり、風呂に入るにはちょうどよい。だがそれを逃すととんでもないことになる。何の前触れもなく列車は突風と共に地下駅になだれ込んできて、その駅から乗り込んでくる客なんて気にせずに発車しようとするから、その風に逆らいながら車両に駆け込むのも必死だ。

モグラ駅と名高い隣の「土合駅」では、見学に来ていたような子供たちが多数手を振っていた。列車は外気との温度差で窓ガラスを曇らせて、サークルの合宿かなんかの学生たちをワイワイ言わせながら各駅停車で進んでいく。私も寝たり起きたり、群馬土産のネギスナックをつまんだりしながら、山とトンネルを越えて2時間ほど。

長岡の駅で接続に30分余り。「フレンド」の「イタリアン」を見つけて食す。これは焼きそばにミートソースのようなものがかかっている、新潟のB級フード。信越本線はどこまでも続くような一面の田んぼの真ん中を進んでいく。越後平野はかくも広い穀倉地帯なのだなあと思いながら、1時間ちょっとで新潟駅へ。藤沢から10時間ほど、正味8時間であっという間で到着だ。半分以上寝てたけど、意外と楽勝だった。本も少ししか読めなかったし、たまっていたこのブログもあまり進まなかった。

9日ぶりに会う娘のなっちゃんはどこかヨソヨソシく、おとなしく手だけ握って、ヨメの実家に着くとこの一週間遊んでいたオモチャを片っ端から出して見せてくれた。なっちゃんのいとこの兄弟たちが遊びに来て、初めて会う叔父さんをイジクろうと手ぐすね引いていたらしく、腕に噛みついて吸血の手強い挨拶。「クサイ」だの「ブサイク」だの言って気を引こうとする。

せめて体格の違いぐらい誇示してやらないとと思い、年長さんの弟の方を取り回して高い高いしてやると、喜んで何度も何度もせがむ。それを見ていたなっちゃんも脚にしがみついてせがむ。帰り際、ずっと大人しくしていたお兄ちゃん(小3)の方が「僕にも一回だけやって」と小さく言うので、結構重いけど持ち上げてあげる。お兄ちゃんとはこうも健気なものかと思う。

家族全員の記念撮影では押しの強いいとこの弟にも負けずに、一番前に躍り出てポーズするなっちゃんに、そんな目立ちたがりの面があったのかと、新潟の枝豆茶豆の旨さと同じぐらい驚いたのが、新潟の一日目の夜の出来事だった。
by barcanes | 2013-08-06 22:53 | 日記 | Comments(0)