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原発事故深刻

原発の事故状況がいよいよ厳しくなってきて、テレビもネットも深刻さを増している。病気の治療に当たる人が、患者の症状がうつってしまうようなことがあるらしいが、それと同様にテレビやネットの深刻な情報を見ていて具合が悪くなったり、被災地にシンパシーを感じるあまり被災者になったような気分になってしまったりするということが、早い段階から言われていた。精神的にやられて体調を崩す人が増えてくるだろう。ただでさえ寒暖差の激しい気候なのに、決まったサイクルの通りにいかない不規則な毎日の生活、普段と違う食生活、それに精神的なダメージまで加わると、多くの人が普通の生活を送ることさえ大変になってしまう。みんなが健康でいることだけでも、社会にとっては貢献だ。重要な情報と、不安を煽る情報とをより分けて、判断してゆくことは難しいけど、どの情報を採るかでその人が試されるとも言える。こんな時でも、テレビもラジオもケータイも消して、情報から逃げる時間も必要だ。

震災や火災や津波で荒れ果てた土地も、人々の努力でいつか甦るかもしれない。怪我や病気だって人間の回復力でいつか治るだろう。しかし放射性物質の被曝となると話は別だ。何度でもやり直せる、というわけにもいかない。水も田畑もやられてしまう。「絶望」という文字がよぎる。最悪のシナリオを知っておく必要がある。ネットで情報収集。以前からの原発反対派の方々の意見はやや過熱気味なので、冷静な判断が難しい。チェルノブイリの救援活動でも知られる鎌田實先生のブログが参考になる。今までのこと、今後のことではなく、今どうしたらよいか、ということに言及できる人は決して多くないのだろう。主観と客観を共にしっかりと持っている人の意見を皆が求めている。

事故現場付近はともかく、関東南部の我々にとっては平常時より数倍程度多いぐらいでは、今のところ全く問題ないことが分かった。少なくとも大人は。乳幼児や妊婦はもちろん、子供を持つ親たちは心配で仕方ないだろう。とりあえず今日は、外で運動しても問題はなさそうだ。

昨日の買いだめムードに乗れなかったので、底をつきかけているお米と灯油を探すが、身近なところにはなかった。まあまだ何日かは大丈夫だ。野菜などはまだあるので野菜を食おう。夕方の停電までに洗濯を済ませ、今日は走りに行こう。しかし予定時刻になってもなかなか始まらない。交差点にもお巡りさんが全く出ていないので、今日も停電回避なのかな、と思ったら、次の信号は消えていた。134号線はやはり飛ばしてる車も多いので、事故もあるのかなと心配になるが、交通量も少なく、みな安全運転のようだった。大きい交差点以外にはお巡りさんもいないのだが、ほとんど問題はないように見えた。私は久しぶりに18キロ走って、茅ヶ崎のサザンビーチの辺りまで行ってきた。海はおだやかでいつものように静かで、波乗りするほどの波でもなくサーファーはいなかったが、停電の時間ともあって走っている人も散歩の人も結構いた。チャリで仕事先から帰宅中の父とすれ違う。普段は気付かれもしないし話もしないが、こんな時なので声をかける。海辺のロッキーは今日も変わらずトレーニングしてた。思わず声を出して挨拶。

日が暮れて暗い中で風呂に入り、今日は意地でも暗闇で飯を作る。うちはプロパンだし水も出るし、ヘッドライトでパスタでもゆでてキャンプ料理だ。自分はこういうの嫌いではないので楽しんでやってるけど、やはり一人で暗闇で飯を食うのは少し寂しい。母と滅多にしないメールで会話。停電初日が夜にかぶってしまい、普段テレビをつけっぱなしの母も寂しそうだ。何もできないと言っている。ヘッドライトを買ってあげよう。

やはり一人で飯を食うのは寂しい。一人が一人分のご飯を作るのは時間もかかるし、電気やガスなどのエネルギーも、食材なども余計にかかる。一人より二人、ほとんど変わらない時間や労力や食材や水道光熱で、食べられるのだし侘びしくもないし不安も紛らわせられるし、こういうときはなおさら、大事な人となるべく一緒にいるのがいいだろう。そういうことって当たり前のことなんだろうけど、少し昔の生活みたいなことを考えれば、不安を紛らわせつつ省エネ生活しつつ楽しみを見つけたり、なんてことは大したことはない。当たり前のことに気付けばいいだけだ。

暗闇の街を見ようと思って外に出たけど、チャリをこいでる間に街灯がつき、ちょうど7時に停電終了。お客さんが平然とカウンターに座って飲んでる居酒屋さんとか、たくましい。いいぞ。お店に着いて、今日はネットラジオをかけてみる。radiko.jpというのが便利で、interFMや大阪のFM802などが最近配信を始めていたのだが、いろいろな地域の人も聞いていて、情報の出入りの範囲が広くなっている。うちのお店は電波悪いので、こういうサービスがタイミング良く始まっていて、助かります。それで聞いている番組にリクエストやメッセージを送ると、読んでくれるか曲をかけてくれるかするから嬉しい。でもinterFMにはヤッサホーヤはありませんよ!

昨日今日あたりから、音楽や娯楽的なものも自粛ムードが解け始め、イベントなどもどんどんやっていこうというムードになっている。楽しみを見つけて元気を出していこう、多くの人を集めてチャリティーを絡めていこう、というのはもちろん良いことだと思うし、被災地以外の我々の普通の生活の中でも、ストレスを解消しながらやっていかないと、これからの長期戦に耐えられなくなってしまうぞ、とみんなが思い始めたと思う。でもそれは、原発事故の深刻さの裏返しの、開き直りのような気もしてくる。そろそろ覚悟を決めないといけないのかもしれない。

日々の生活、親しい人との一期一会、おいしい食べ物飲み物、いろいろなことがこれで最後になるようなこともあるのかもしれないのだから、後悔のないように生きていかないといけない。楽しめることは楽しんで生きよう。でもそれも、当たり前のことと言えば当たり前のことなのだ。
by barcanes | 2011-03-15 18:05 | 日記 | Comments(0)