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6/28 2年越しの奇跡/AZUMIさんのライブ盤


昨日、ライブの準備をしているとき、AZUMIさんがCDをくれた。厳密に言えばCDRで、手作り感満載のジャケットはペラのコピーで、さらに手書きの帯もついている。手売りのグッヅとして用意された、いわばオフィシャル・ブートレッグと言ったところだろうか。それでも品物は品物。歴とした作品である。裏には「藤沢BAR CANE'Sにて」とある。とうとう我がCane'sも音楽史に形を残すことができた、と感動しております。
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タイトルは「AZUMI山脈プレミアム」。帯には「さて久し振りのCDRアワー ちまたでごく少数の方々からチラチラ耳にしておりましたが 2013,8,24 ビト・ヤク・AZUMIのスリーマンライヴを藤沢ケインズで初めて私がライヴした時の音源が残ってるらしく 2年ほどたってからヤクくんよりマスター音源をいただきました」と書いてある。ヤクの話と総合しますと、AZUMIさんがあちらこちらで「あのライブ盤出さないんですか」とか言われることがあったそうで、なんのこっちゃ分からなかったと。ついには「あのライブ盤、最高っすね!」なんて言う某シンガーもいて、そのとき一緒にいたヤクが「ああ、2年前のCane'sのライブの音源っしゅね」と説明すると、「なんだよお前、渡してないのかよ!」と怒られたと。

私は私で、初めてのAZUMIさんのライブ、どのように演奏するのかどのようにマイクを当てたものだか、よく分からなかったのだが、まあ素直に録れていたわけです。あの砲弾みたいなマイクとフルヤ・ギターとAZUMIさんの指と声、ボーカルのマイクは要らないと言ったんだかSM58だったか。まあそれだけで十分だったわけです。完成されてるわけですよね。AZUMIさんの芸は。芸術は。

さらに初めてのライブってことでAZUMIさんも気合い入れてくれたのか、ビトさんやヤクが盛り上げてくれたからか、なんせ衝撃的な演奏だった。その説明を始めると長くなってしまうので、関西出身、旅するピアノマン氏曰く、「今まで聞いたAZUMIさんのライブの中で最高だった」ということで十分なのではないだろうか。5度のアンコール。(このライブCDの曲目1~5までが本編、6~10がアンコールでした。)50分の予定が80分になった。「AZUMI、ワン・モア・タイム!」の跳び蹴り。そして「あべのぼる一代記」の憑依芸。強烈な台詞が畳みかけてくるコラージュ。笑いとオチまで付いてくる話芸。音頭に浪花節、上方芸能とブルーズを基調にした舶来ポップ・ミュージックとの総合芸術。

そしてそのすべてがあらゆるタッチを駆使した指と、声と、そのコンビネーションから生まれる。「声とギター」というアルバムはジョアン・ジルベルト晩期の傑作だが、それとは違った方向から同じところに迫っている、と私は言いたくなる。むしろさらに、作っては壊し、整っては崩し、不確定性やランダムを取り込んだフリー・ミュージックであることによって、完璧さの持つ欠点を補っている。つまり我々は、こんなにもスゴいものに至近に触れる機会があるというわけだ。しかも何度も。

今回のライブは一年ぶり。新しいフルヤ・ギターになって、またトーンが広がったように思えた。ピッキングのバリエーション、複数弦の使用を抑えたコード・トーン。リハの時にはオーネット・コールマンを弾いてた。不思議なサウンドが精緻に演奏されていた印象だ。それと比べると、2年前のこのライブ盤はラフというわけではないんだけどギュっと詰まったような濃密さがあるような気がする。

そして先月頃にヤクからAZUMIさんに届けられたこの音源、少し手を加えたとおっしゃっていたが、マスタリングかな。AZUMIさんはすぐに形にしてくれたというわけ。あのときPCMレコーダーにラインでそのまま突っ込んだ音を、レベルを押し上げてチャプター分けをして、CDRに焼いて、一番のAZUMIファンであるヤクにプレゼントした。私は自分のPCから、お店で聞いたり好きそうな人に聞かせたり、来なかった人には悔しがらせるためにかけたりした。前述のピアノマン氏は前述の訳で「この音源ちょうだい」というのでコピーしてさしあげた。おそらくピアノ氏が旅先の全国各地で、そうピ氏は北から南まで旅して回っているのだ。携行されたPCに潜ませたあの音源を、ここぞというときに全国の酒場で、伝家の宝刀としてお見舞いしてやったのではないか(想像)。それを、あの音源を耳にした少数の精鋭が、巡り巡って、AZUMIさんに「あれいいっすね」と言ってくれたのではないだろうか。

私はと言えばその後、保存していたハードディスクが壊れて聞けなくなってしまった次第。そのうちピ氏からまたコピーし直してもらえばいいかと、ヤクにあげたことも忘れてたぐらい。他に誰にあげたっけ。そうだ、次のライブは完璧にしようねと、仲間のスタジオ社長と聞き込んだ。4回目の今回わかったことは、マイクの前で動くの、音量を一定にしたりするのは基本かもしれないが、あれわざとやってるんだな。それが分かんなくて、どうやって音を拾おうかなんていろいろ考えたんだ。

なにせ、私の手元には残っていなかったのである。それをAZUMIさん本人から手渡されるという、この奇跡のような2年越しの展開。私は、我々は、奇跡のような縁のつながりで生きてウィル、いいなこの打ち込みミス。未来はいつだって奇跡のつながりでできてwill。will。

私は他の場所でのAZUMIさんを見たことがないし、名演名ライブはたくさんあるに違いありません。しかしあの日あの時この場所で、目撃したあの衝撃。それがその場にいなかった人にも伝わる(かもしれない)ということは、いつだってこの瞬間が忘れ去られ忘れ去っていく運命にある酒場の、この場所に縛り付いて離れられない酒場の者としては、奇跡的な足跡、ひとつの永遠です。

全国のどこかでこのライブ盤を手にした方が、もし何かの気休めに「Cane's」を検索したときのために、実況ライナーノーツでも書こうかと思ったのですが、もういいっすね。いくつか注釈だけ。

「タコ焼き」 この頃あちこちの店でAZUMIさん本人がタコ焼き焼いてくれるライブやってたらしいですね。
「あ、今日はうまくいった」 これはこのCDいただいて分かったんですけど、メドレーのつなぎがうまくいった、って言ってたんですね。曲中のセリフの一つだと思ってました。
「♪夢は夜ひらく」 ちょうどこのライブの少し前に藤圭子が亡くなって、お店のカウンターに藤圭子のレコードが立てかけてあったんです。AZUMIさんがそれを目にしていてふと引用されたのではないかと思っています。
「お泥の中から・・・ポッ!」 これはホントにいい音がしました。
「AZUMI、ワン・モア・タイム!」 最終盤、音が聞こえなくなるところがありますが、そこはAZUMIさん、立ち上がってハイキックを連発してます。
「AZUMI山脈」 このタイトルたぶん、このライブの後、2回目のライブの告知のために私が書いたブログの文章をAZUMIさんが目に入れてくれてたんじゃないかと思っております。
2013年12月「最高峰の山脈/AZUMI/ヤクLive」

2年前のライブの時の記事も。
2013年8月「憑依する「あべのぼる物語」/AZUMI・ビト・ヤクLIVE」
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2回目のライブのチラシ用の切り絵は、「AZUMI、ワン・モア・タイム!」 の様子を再現しております。
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by barcanes | 2015-06-28 07:08 | 日記 | Trackback | Comments(0)

7月のイベント予定

7月のイベントもだいたい決まってまいりました。

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7/1(水) 「理想郷探索」

開場19:00 / 開演20:00
charge 2000円
【出演】 NolenNiu-de-Ossi、
Orquesta Gerber (江崎掌×rinamame)
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 ギター・三味線とピアノ・アコーディオンという関西の男女デュオの「ノレンニゥ・デ・オッシ」。5月の初来店から早くも2回目!共演は最近藤沢に引っ越してきたというシンガー・ソング・ライター江崎さんのデュオ。どんな感じになるんでしょうか。楽しみ。

7/4(土) 「アイリッシュ・セッション#9」
16:00〜 No Charge

今回はいつもと違いまして、土曜日開催です。

7/5(日) 「カオリーニョ藤原と中島徹」

Open 19:00 / Start 19:30
Charge : 投げ銭
【出演】カオリーニョ藤原(うた・ギター)、中島徹(ピアノ、etc)

7/11(土) 「歌謡会・番長編」
詳細未定

7/12(日) 「iiinity 夏会2015」
Open/Start 19:40 Charge ¥1000
【Opening act】中山淳、Bech Band
【DJ】GEN、TAKE-C
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(Opening act)
20:00 中山淳
20:40 Bech Band

21:20 iiinity

(DJ)
19:40/20:20 GEN
21:00/22:00 TAKE-C

7/18(土) 「Voices Inside vol.89」
9pm~ No Charge
【DJ】二見潤、関根雅晴、他

Blues特集!SP盤も!

7/20(月祝) 「高満洋子and上原ユカリ裕duo ワンマンライブ」
open 19:00 / start 19:30
charge ¥2000
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高満洋子 (vo, p)
上原ユカリ裕 (dr, vo)

7/25(土) 「After h'Our Rock #1」
No Charge Open 19:00 / Start 19:30
【DJ】makizoo、他
 5月にやった「vol.0」が盛り上がりました、オール・ジャンル的DJイベント。各自のテーマで30分ワン・コーナーをプレゼンして頂きます。いろいろ聞いてきた僕らの思うロック。和製英語な「AOR」に新たな意味を与えたいと思います!

7/26(日) ENOWA
ライブ・ペインティング!
詳細未定

8/2(日) 「大地曳網大会!」
於、鵠沼海岸堀川網 今年もやりますよ!

8/8(土) TBA(歌謡会)
8/15(土) Voices Inside vol.90
8/30(日) TBA(今西太一)

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by barcanes | 2015-06-21 21:30 | イベント | Trackback | Comments(0)