カテゴリ:日記( 964 )

自然体で深いJump & Jiveまつり

5/20(土)

ワンワンワンの111回目のVoices Insideは「春のJump & Jiveまつり!」ということで、1930年代から50年代ごろの黒人娯楽音楽を特集しました。ライブ・ゲストにお呼びした2バンドとも、この時代の古い曲ばかりをレパートリーにしていて、その時代(だけではもちろんないでしょう)の音楽に対する深〜い愛と見識をもとにして、それらを今に蘇らせていることに深く感動しました。

蘇らせるということはいわゆる完コピのようなことではなくて、それらの曲たちが持つウキウキする楽しさや冗談まじりのウィットネス、そして庶民的だけどどこかジェントルとしたエレガントさといったものを、ライブで感じさせてくれるということなんでしょう。そういうことを自然体でやれるのが、オジサン世代の生き様なんですね。みなさんの愛する音楽がまさに血肉となってらっしゃる。これはもはや「伝統音楽」と呼んでおかしくないのではないでしょうか。

DJの方もJump / Jiveにこだわらず、コーラス・グループやブルーズなど同じ時代の楽しい系ブラック音楽全般で埋め尽くされました。50年代以前といえばもちろんSP時代というわけですが、33回転や45回転に混じってSP盤もかかってしまうなんてことがもはや自然体でできるようになってしまっている。何気にスゴいことになっています。こういったディープさに関しては全国トップクラスといって過言ではないでしょうね。リサーチしてませんけど。

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Jive Blind Boysは、メンバー全員が代わる代わるリード・ボーカルを取り、みんなが歌えるバンド。ドラムの山崎さんが歌うときは靴を上履きから履き替え、ウォッシュ・ボードに持ち替えて前に出てきます。メールで熱烈なお問い合わせを頂いていたのですが、その方はいらっしゃらなかった様子。どうやらTMなんちゃらとかジャニーズ系のバックをやってる同姓同名のドラマーがいるらしい。

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The Moon Shinersはメンバーがお一人卒業されたそうで急遽4人編成。文屋さんのボーカルが貫禄そのものでした。 

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この日に仕込んだチリコンカンも完食完売でした。ありがとうございます!


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by barcanes | 2017-05-26 15:41 | 日記 | Trackback | Comments(0)

業務用エアコン入れ替工事完了!

5/18(木)

この冬一月。急に冷え込みが強くなった頃、開店以来使っていたお店のエアコンがエラーのサインを出し始めた。仕方なくメーカーの修理を呼んだら修理不能とのこと。できなくもないが新品を買った方がいいような金額。見積もりを出してもらうと、新品(工賃込み)で定価150万のところ割引価格75万というなんじゃそれのお値段設定。わお。

まあ当初はこの機会にお店やめちゃおうかな、などと落ち込みましたが、まあ冬の間は灯油ストーブで乗り切って、暑くなるまでに考えればいいやと、とりあえず間を置くことが大事ですね。すぐに対処しなければならないとなると切羽詰まりますよね。

まあそのうち数十万ぐらいなんとかなんべーっていう気分にもなってきますし、いざとなったら親愛なる皆さんに一割増ぐらいの商品券作って出資してもらうとかね、まだ使っていない奥の手はいろいろあるんだろうと、お金なんて払ってしまえばいいんだと思うに至ったわけです。20年前に比べたら効率性能も良くなって電気代も下がるだろうし。

春になり結局、身近なアニキに世話してもらって、私も知り合いだった設備屋さんに新規入れ替えをしてもらうことになり、当初のメーカー見積もりと同じ新品機械を、修理と同じぐらいの金額でやってもらえることになりました。よかった。だいぶ安くしてくれたんだと思う。暑くなる前に間に合ったし。

そして今日、昔からの仲間という職人さんを連れて来てくれて、朝からエアコン入れ替え作業です。もちろん私は見てるだけですけど。

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室外機はビル裏手。それにしても昼間に見る我が野口ビルの緑化ぶりはスゴイな。

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ついでにツタに侵食されたカウンターの裏側の壁。

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新入りはだいぶ背が高いタイ製です。配管はこれまでのものが使えるということで、そのまま。

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ちょうど昼頃から降った大粒の雨も上がって、室外機ほぼ終了。それにしても電気設備屋さんの配線処理の手際の良さにはほれぼれしますね。

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三菱重工のタッチパネル。新型だあ。電機じゃなくて重工ですよ。

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見た目あまり変わらないかもしれませんが、だいぶスッキリした印象です。さすが重工の5馬力パワー、風力が違うと職人さんも驚いてました。この夏はしっかり冷えますよ!大人数のイベントでも問題なし。

さて代金分、みなさまにはしっかり飲んでもらわないと…。ご協力お願いします!

出資商品券とか作って以前のお客さんとかにお願いしたら、久しぶりに遊びに来てくれたりするかな、なんて考えたけど、なんか情けない気がしてやっぱりやめた。でもたまには来てくださいー!わりと経営ピンチでーす!



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by barcanes | 2017-05-19 15:28 | 日記 | Trackback | Comments(0)

アイルランドの「伝統」音楽とは

5/13(土)

毎月の「アイリッシュ・セッション」を主宰してくれているフィドラー椎野さんと仲間たち"SEÓL”(と書いてソウルと読みます)のライブは、昨年3月以来。ギターはいつも静岡県富士市からセッションに通ってくれている松野さん、そして横浜在住の吉井さんは笛類とコンサーティーナを器用に操り、最後まで残ってお酒を飲んでいってくれて「近くにあったら毎日来たい」なんて可愛いことを言ってくれるステキな女性。

素人の耳にはどれも似たようなメロディーに聞こえてしまうアイリッシュのチューン、それぞれの曲の裏話を解説してくれる椎野さんのMCが興味深い。プロの演奏家ではない市井の人たちが、音数の限られた中でメロディーを紡いできたのがアイルランドの伝統音楽たる姿なのだ。「アイルランド伝統音楽」と銘打っただけあって、それらの多少の相違に挑んでいくわけだが、彼らも判んなくなっちゃうから曲順表にアタマの3音ぐらいをアンチョコしているらしい。
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「伝統」の対義語は「革新」。革新の対義語には「保守」というのもある。それでは伝統と保守とは何が違うのか。たまには辞書でも開いてみようか。(広辞苑第二版より)

『伝統』①系統をうけ伝えること。また、うけ伝えた系統。②(tradition)伝承に同じ。また、特にそのうちの精神的核心または脈絡。
『伝承』(tradition)つたえうけつぐこと。古くからあった「しきたり」(制度・信仰・習俗・口碑・伝説などの総体)を受け伝えてゆくこと。また、その伝えられた事柄。
『口碑』(碑に刻したように永く世に言い伝わる意)昔からの言いつたえ。
『保守』①たもちまもること。正常な状態などを維持すること。「機械のーー」②旧来の風習・伝統を重んじ、それを保存しようとすること。【保守主義】(conservatism)現状維持を目的とし、伝統・歴史・慣習・社会組織を固守する主義。

我が国の伝統芸能などの場合、徒弟制や流派が強い印象があるので、それは『伝統』の①に当てはまるかもしれない。しかし今回のような場合、Traditional Musicとしては②の意味の、とくに「精神的核心」というところが重要でしょう。椎野さんのMCは『口碑』ですね。
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余談ですが、これまで『保守』と思われてきた保守政党が現状の維持を目的とせず、懐古的な趣味を求めているのだとしたらそれはもはや保守ではなく、言うなれば「プレ保守主義」みたいなものになるのではないでしょうか。あるいは限定的な現状を維持するために組織的なものを固守するのが「ポスト保守」なのでしょうか。ある意味「革新」政党かも。ああ、余談でした。

「伝統音楽」と銘打っているだけあって、椎野さんのフィドルは特に革新的というわけではなく、しかし何らかの系統に属したものというわけでもない。表層的な形式を整えるだけでなく、そのどこかぶっきらぼうでワイルド、枯れたフィドルの音にアイリッシュ音楽の「精神的核心」を響かせているからこそ、それが伝統音楽たりえるのだと思う。

この日は3人とも生音で大丈夫かな、と思っていて録音の準備をしてなかった。でも結局は音量を合わせるのにフィドル以外に回線を使ったので、あとはフィドルにマイクを当てておけばよかっただけだった。いい演奏だったので録音しておきたかった。次回には必ず。なので次回のライブを必ず。

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2時間弱のライブ終演後は、見にきてくれたお客さんたちと輪になってセッション。遅い時間からは久しぶりの客人や同業の仲間たちやらがカウンターを埋めて、なんだかカオスな歌謡曲リクエスト大会。前回のライブの時も、遅い時間にいろんな人が来てカオティックだった記憶がある。「アイルランド伝統音楽」には、そのような人を引き込む魔力があるのだろう。

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by barcanes | 2017-05-19 14:28 | 日記 | Trackback | Comments(0)

Funk50年を見据えたヒップホップ特集「ドロFunkin’」

5/12(金)


確か昨年4/1に、この日が生誕70年のロニー・レーン特集をやった。それがちょうど金曜日だったのがきっかけで、マサオさんと金曜の夜に通例のレコード・イベントではかけられないようなレコードを聞くのもいいんじゃないかということで始まったのが、1回目の「ドロ金」。ちょうど5月のゴールデンウィーク明けのことだ。


最初のコンセプトは、毎月の”Voices Inside”でもなかなか出番のないスワンプ・ロックや泥臭いSSWのレコードを聞こうということで、”Muddy Fridays”とスケジュール帳には書いてある。最初から複数形になっていたところが注目であった。


カウンターの端っこに一台だけターンテーブルを置いて、横に並んだお客さんたちと喋りながら飲みながら、ちょっとマニアックになり過ぎるぐらいでいいから、好きな、聞きたい、聞かせたいレコードをかける。普段あまり陽の目を浴びないサブスティチュートな円盤たちにも出番を与えよう。そんな試みに、当店なじみのレコード・ブラザーズ&シスターが次々に乗ってくれて、”Free Friday”シリーズは昨年だけで18回を重ねた。


そうして今や金曜の夜に参戦してくれるDJたちは、まとめて「金ちゃんファミリー」と呼ばれるに至っております。当店としても、金曜の夜にお客さんが集ったのも今や昔の話なので、こうして面白いことをやってくれるととても助かるわけです。


前置きが長くなりましたが、元祖”Free Friday”でもあるマサオさんの「ドロ金」は、昨年10月のラリー・ヤング特集「ラリ金」以来、久しぶりのFFシリーズ登場。今回のテーマは「ドロFunkin’」というタイトルだけが決まっていたのですが、フタを開けてみれば、本年7月の”Cold Sweat”50周年、すなわち「Funk紀元50年」(紀元前もあるということです)に向けての、なんとヒップホップ特集でした。


実はヒップホップのネタからソウルやFunkを知ったという、リアルタイムなフリー・ソウル/レア・グルーヴのネタ世代だったんですね、マサオさんは。ということでデ・ラ・ソウルやウータン・クランなど80年代のソウル/ディープ・ファンクからブルースなどのネタものを中心に90年代半ばのトリップ・ホップまで、12インチ・シングルやCDを駆使して私のあまり知らない世界を繰り広げてくれました。


そんな中ではヒップホップを聞かずに過ごしてしまった私もギリギリ追いついて、一時期ハマったのがDJ Shadowだ。マサオさんとはあらゆる方面で教えてもらうばかりだがハーモニカ・ブルーズから戦前物、陽の当たらない系R&Bからレア・グルーヴ、おじいサンバにブラジリアン・フュージョン、ダメ系SSWから山登り、そして奄美民謡まで、その守備範囲が重なることが多くて、だけどShadowが好きっていうことで一段と仲良くさせてもらったような気がする。


それにしたってShadowからSP盤まで、本人はなんとも思っていないであろう振れ幅で、なんともなしにドロドロに深みにハマってゆくマサオさんの「ドロ金」ここにあれり、というヒップホップ特集でした。


何度か試作を重ねてきた「チリコンカン」ですが、この日から売り物にさせてもらいました。とりあえず350円です。やや小盛りで、食事というよりはオツマミにという感じです。よかったら食べてみてください。


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終演後にマサオさんにお借りしたShadow関連2枚。Cut Chemist & DJ ShadowのミックスCD "Brainfreeze"、1999年。ルーファス・トーマスなどの南部Funkが聞けたりして楽しめる。ネタ情報はしっかりDiscogsに出てた。


https://www.discogs.com/DJ-Shadow-Cut-Chemist-Brainfreeze/master/115897


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私の愛聴盤でもあったDJ Shadow ”Endtroducing..."(96年)のボーナス・ディスクを聞け!ということでデラックス盤が出てたんですね(2005年)。ナイス・レコ屋ジャケのジャケ裏がオリジナル盤より横に長くて、棚にどんなレコードが並んでるか推察する楽しみも横に広がってます。

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by barcanes | 2017-05-18 00:54 | 日記 | Trackback | Comments(0)

ズレブレ観音

5/14(日)

母の日に、カミさんはちゃんとプレゼントを用意していたから、私も何か持ってかなきゃと思って、ベタだけどその辺に売ってた赤いカーネーションの鉢植えを買ってみた。そんなの次の日になれば安くなるのに、って母はよく言うから、そんなこと言われたら買えないでしょ。だから初めてだったと思う。で、実家に持ってったら思いの外よろこんだ。やっぱりこういうのはベタでいいんですね。ちょうど家族全員揃ったので、焼肉屋に初めて連れていかれた。なっちゃんも初めて。海老で鯛を釣る結果。

久しぶりのエミちゃんと、持ってきてくれたニューアルバム(のマスター音源)の他いろいろ録音を聞きながら音の話。不快に感じていたものが心地よく感じられるようになったり、気になっていたズレが気にならなくなっていったり、それは我々の耳が退化しているのかもしれないけど、しかし同時にそれは、我々の生きられる領域を探している、ということなんだと思う。

不快だったはずのものを快とし、ズレやブレに美を見出すようなことは、今まで生きられなかった環境の中でも生きようとする動物の順化あるいは進化のようなものかもしれない。そこには突然変異のようなサウンドが必要なのだろう。あ、これはエミちゃんのニューアルバムの話ではございません。念のため。

アルバムの音はむしろキレイすぎるぐらい。よく聞く言い方で、「デジタル・レコーディングの音がキレイすぎる」なんていう場合、そのキレイさに対する「汚さ」とはどういうものを言い、どのような汚さを求めているのだろうか。ある種の濁り、歪み、高音の劣化、音の被りや位相のズレ、などなど。いわゆる実験室の無菌がキレイだとするなら、我々はやはりそこでは生きられない。汚染にまみれていようと生の空気が吸いたい。

音は空気を通して伝わる。空気に乗った音を、音の乗った空気の音を聞きたいのだと思う。このお店のように、スピーカーからの距離を置いて聞く場合、たとえばそれが8mだったら8m分の空気の音を聞いていることになる。(ヘッドホンやイヤホンではそういうことにはならない。)

空気の音を聞くとき、実は音を見ているのではないかと思うことがある。お店のライブのP.A.をやるようになって、楽器から発せられる音がどのように広がりはね返っているのか、見えるようになってきた気がする。気のせいかもしれないけど。

音を観る、と書けば観音である。観世音菩薩の観音とは意味合いが違うのだが、あながち見当違いとも言えないかもしれない。音を観ようとすることもまた、私的な宗教心のようなものかもしれない。ズレてますけど。

ズレの一分もないものを目指すとしたら、どこかの国のマスゲームみたいな社会を目指すことになってしまう。極論ですけど。だからミュージシャンに限らず、この時代はズレやブレがテーマだとことさら思いますね。ズレた人生、ブレた人生を送っていきましょうよ。

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by barcanes | 2017-05-15 03:24 | 日記 | Trackback | Comments(0)

金にならないレコード、金じゃない利益

5/10(水)

レコ屋のふくらんだビニール袋を手に現れたブラザー。Funkもののいい釣果があったようだが少々憤っている。Funk増資のために卒業ロックを売りに出したのだが、あまりにも買取価格が悪すぎて引き上げてきた。入手した時には1万円前後したオリジナル盤LPが400円とか言われて嫌になり、それだったらゲンちゃんのところに持ってきた方がいい音で聞けるし、と寄贈してくれた。

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ハース・マルティネスの1st、ザ・バンドの「ビッグ・ピンク」、ディランの「ブロンド・オン・ブロンド」UK盤など。確かにジャケ破れでキレイとは言えないが、音には問題なし。私程度のレコード好きにとっては、このようなオリジナル盤が安価で入手できたらサイコーなのだが、その辺りの購買層が減っているのかもしれない。つまりレコード・マニアならその辺の評価の定まった定番ものは、好きな人は既に持っているか、さもなくばよりキレイなものかレア度の高いものを求める。興味を持ち始めたぐらいの人なら手早くCDを買ってしまうか、あるいは最近はネットで聞けちゃったりするからCDさえ買わないかもしれない。
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音楽ソフトを買う人は両極化し、買う人は買う、買わない人はまったく買わない。(渋谷のタワレコでさえ客はまばらだそうだ。ミュージシャンはどうやって録音物を売れば良いのか途方に暮れている。)以前はそれなりに高かった中間領域も両極化してゆく。以前高かったものが安くなり、反対に安かったものが高くなったりする。内容の良さなど、あまり関係がないのだ。売るためには、やっぱりキレイに保存しておかないとね。

「他の人にも聞いてもらえる。レコードがそれを望んだんだよね」と出戻りレコードを聞きながらブラザーが言う。私も嬉しい。CDとじゃ音が全然違うもんね。私は聞けりゃあなんでもいいけど、だけどオリ盤の音も知っておきたい、というアマノジャク派だ。

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その他、最近のいただきもの。大阪は「春一番」土産のトートバッグと阪神タイガースのバームクーヘン。大阪「フエキのり」のマーブルチョコ(なっちゃんに)。ビックコミックス版「カムイ外伝」全20巻。それから80年代のローランドの音がするBOSSのハンドクラッパー。これ遊べそう。皆さんいつもいろいろありがとうございます!
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深夜にはこないだのライブ録音をラフミックスしながらカセットテープに突っ込んで、どんなテープ・コンプ効果が出るのか聞き比べして遊んだ。これはなかなか面白い。だいぶ音が変わるから、高音低音をどれくらい強めにしてテープに突っ込めばよいのかなど、いろいろ試してみる必要がありそうだ。

みんな帰った‪朝5時前。先日の「沢田沼田尻」トリオの録音を大音量で流しながら片付けをしていた。外の電気も消して看板もしまってるのに、足音が上がってくる。身構える。

陽に焼けた顔のオジさんが入ってきた。「ホンモノの音がするから、誰がグランドピアノを弾いてるのかと思って聞きに来た」と言う。「タジリユウタだ」と言って追い返した。去り際に「‬ヒノテルマサが友達だ」と叫んでいた。ウソだと思うけどそんな瞬間を持ち得なかったとは限らない。

そんなテカった顔のオジさんに暗い階段を登らせてしまう。カッコ良く言えばどんな客でもいいわけではないが、どんな客でもいい。求めている客に分かってもらえないかもしれないし、求めていない客に分かってもらえちゃうのかもしれない。ライブを喜んでくれるお客さんが金を全然使ってくれなくても、ムカつくような嬉しいような。自分でもよく分からなくなるときがある。

結局我々は金じゃない利益を得ているのだし、金じゃない利益を求めてしまっているのだから、利益は金にならない。なるわけがない。それは青春。朝5時の青春だ。夜はもう明けてしまっている。


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by barcanes | 2017-05-13 04:31 | 日記 | Trackback | Comments(0)

GW最終日のカセット談義

5/7(日)

休日に出勤や講習などが続いたお母ちゃんと、私のような商売をしている父を持ったおかげで、家族でゴールデンウィークらしいことの何もしてもらえなかったなっちゃんと、最終日にせめてもの鎌倉散歩。と言っても夕方に出て、コクリコでクレープ食べて、小川軒でお土産買って八幡宮で亀や鯉に餌をやり、ジブリのお店に寄ってお蕎麦を食べて帰る、という毎度変わらぬコース。なっちゃんはわりと定番を愛する子みたいです。でも一番喜んだのは、デパートで見つけたシルバニア・ファミリーの小物が出てくるガチャガチャだったみたい。

夜は大阪赴任から戻って来ている女史に、2枚ダブっている歌謡曲のシングル盤をあげる第2弾、男性シンガー編。狩人の「あずさ2号」の柳の下的なシングルを聞いて、なんかピンクレディーみたいだねと思ったら同じ作曲家なんですね、都倉俊一。しかも同時期。二人組というのも一緒だ。フィンガー5とシャネルズも同じ作曲家でブルーコメッツの井上忠夫(大輔)なんですねえ。今さら気づきました。面白い。

また戻って来てね、ということで7、8枚プレゼントしました。でも大阪は楽しいみたいで、ちょっと安心した。近所に安くていいお好み焼き屋を見つけて通っているそう。粉物で太らないようにね!

さて先日のカセットテープの話。アメリカはポートランドに「ミシシッピ・レコード」という主にリイシューの自主制作盤のレコードを売っているレーベル兼レコード店があるそうで、まあ有名なんだそうですね。店主は意外にも若くて私よりも少し下ぐらい。幼少の頃からカセットテープに取り憑かれ、何でも録りまくっていたそう。私の友人にも似たような奴がいたな。

ネットやデジタル・メディアには背を向け、売り物はレコードとカセットテープというアナログのみ。それでもネットで調べると商品をネットで売ってるところもあったりするから、日本は便利というか親切というか、何かのこだわりがいとも簡単にへし折られてしまうのが特性なのかもしれない。

まあ嫌味はさておき、記事や店主のインタビューなども出ていたのだけど、どんな商売の仕方をしているかまではもちろん分からなかった。まあとにかくテープに関しては、ミックス・テープなどを割と安価に、瞬発力を持って、しかもラフなラベルを付けて次々に出しているみたいだ。

先日の売れないギター弾きもテープの音色に取り憑かれて、カセットで作品を売り始めているそうだ。先日のアニキにもらった大量のカセットを山分けした。で、最近の私の録音物もカセットで売ったらいい、カセット・レーベルでも興して出せるものがたくさんあるではないか、なんて言ういうわけだ。いや、その手間とか権利関係とかいろいろ考えたらメンドくさいだけでしょ、なんて思ってしまうのも自分の日本人ぽくて嫌なところ。

で、そんな話を最近の当店では数少ない深夜部員にいろいろ喋っているうちに、そのアイデアの面白さの奥にあるものが分かってきた。それは、大量生産や工業製品が我々に無意識的に強いているような、複製主義に対するアンチテーゼなのだ。何らかの決まりに従った、一定のものでなければならないような観念に対するアンチ。つまり「一点もの」であろうとすることのふくよかさや潔さ。もしかしたらデータ的同一性からの逃避もあるかもしれない。(カセットの音はシャザムできなかったりする。)

カセットへの入れ音は常に同一である必要もなく、毎回違っていて良いのだ。真実の音は既にそこにはなく、ライブにあるのだから。問題は、音の基準を客観的に保てるかということ、そしてダビングの手間や時間ということになるが、そんなカセット・レーベルをやることの妄想話をしているぐらいが一番楽しいところなのだろう。

だいたい妄想を実現させた試しがない。思っているようにはけっして進まないが、しかし思ってもいなかったようなことに自分が転がっていくのも確かではある。そして私は人を巻き込むことが苦手で、自分でできそうなことしかできない。さてどうなることでしょうか。

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人もややまばらなGW最終日の夕刻、八幡宮上空ではトンビが集会を行なっておりました。ゴールデンウィークの獲れ高や今後の方策について語り合っているのでしょうか。


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by barcanes | 2017-05-10 03:37 | 日記 | Trackback | Comments(0)

New Orleansとチリコンカンで2デイズ

5/5(金)および5/6(土)

「ゴールデンウィーク終盤は、潤くんのNew Orleansで2デイズ!」ということで、何もしなければ激ヒマが目に見えているところにブラザー潤くんがイベントを2連発企画してくれた。ゴールデンウィークにNew Orleansと言えば、毎年有名なジャズフェスの時期。今年はオリジナル・ミーターズが4人揃って出演したらしい。凄いなあ。夢のジャズ&ヘリテイジ・フェスティバル。我々もささやかなNew Orleans祭りでした。

初日は、New Orleansの眼帯ピアニストJames Bookerのドキュメンタリー”Bayou Maharajah”をプロジェクター上映。15年選手のDVDプレイヤーとの相性が悪く、途中から映像が飛び飛びになり、最後まで見ることができませんでした。残念。そして申し訳ございませんでした。
http://www.bayoumaharajah.com

DVDがダメならVHSだ!ということで、New Orleansピアノを代表する3人、プロフェッサー・ロングヘア、タッツ・ワシントン、アラン・トゥーサンが3台のピアノを並べて共演する”Piano Players”を見る。3人の共演コンサートが企画された、そのリハーサル映像だそうだ。1980年1月にフェスが急逝してしまい、その葬儀の模様もドキュメントされていた。

3台連奏の真ん中に座ったトゥーサンのピアノの音がおかしいと思ったら、ヤマハのCPらしい。フェスの葬儀の時にも安っぽいキーボードを弾いている。ゴスペルやオリンピア・ブラスバンドと同様に迫力の演奏なのだが、道具にこだわらないところもいかにもNew Orleansらしい。ちなみに88年にP-Vineから日本版のVHSも出ていたらしく、邦題は「ニューオーリンズ伝説」だそうです。

それからDVDに戻ってトゥーサン円熟の弾き語りライブ”Songbook”(2013年)。こちらのDVDは問題なくプレイできた。実はこの日は思いの外たくさんの来客があり(こんな時に限って初めての単独女性客が二人も来たけどあまり話せなかった。まあ何もなくても話せませんけど。)、私は3作ともあまりじっくり見ることができなかった。のんびり見れるかなと思ったのですけど、嬉しい予想外でした。

終盤に訪れた売れないギター弾きと、カセットテープやライブ録音の話でなんだか盛り上がってしまい、朝まで深酒。よく覚えてないけどいい話を聞けたので、その件はまた改めて考察したい。
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さて翌日は、金曜日に何度か回を重ねている「潤金」の番外デラックス版。Dr. Johnの代表作のひとつであり、New OrleansのR&Bの古典とも言える名曲の数々を見事に焼き直して紹介した傑作カバー・アルバムとして名高い"Gumbo”と、その収録曲を特集した。それらのオリジナル曲や、さらにそのネタ元になった曲、オリジネイターの関連曲などを7インチでコツコツと集めた潤くんの研究発表会。

このアルバムこそが、それを高校3年生の時に買って聞いたブラザー潤くんをNew Orleansにズブズブに狂わせてしまった最初の一撃だったということが、愛を超えたものとして理解できます。愛を超えるもの、それはやはり継続ということなのでしょう。上っ面な私としては、なんとなくコンピCDなんかで知っていたような曲を、こうしてしっかりと聞かせてもらうことで、全く新たなドアを開けてもらったような気がして、同時に自分の薄っぺらさに気づくことになるわけなのでした。
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この二日間、ニューオーリンズ名物「ガンボ・スープ」は作れないので、代わりにチリコンカンを作ってみました。少し早い時間にお店に行って、この数年しまい込んだままだった10インチのダッチ・オーブンを取り出し、ネットラジオでニューオーリンズの「マルディグラ」チャンネルを聞きながら、味見をしつつ煮込むのはなかなか気分のいいものでした。

お店を始めた最初の何年かは母が仕込んでくれたチリコンカンをメニューにしていたのですが、いろいろ思惑があって止めてしまった。その頃どうやって作っていたのか、母に聞いても「忘れた」の一言で、なんとなくその頃の味を再現したく思っているのです。まだ試作段階なので、両日とも来てくれた皆さんにサービスで味見してもらってほぼ完食。この日の最後に現れた南口の名料理人に食べてもらったら「うまい」とのお墨付きをいただけたので、調子に乗ってそのうちお店で出せるようにしたいと思ってます。

ツマミのいらない店でずっとやってきましたが、だいぶ限界に近づいてきてしまったので、ちょっとでも売り上げにつながるといいなと思ってます。よろしくお願いしまーす。
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by barcanes | 2017-05-10 01:29 | 日記 | Trackback | Comments(0)

カセット第2弾そして”TONGS”の思い出レゲー

5/1(月)

先日紙袋いっぱいのカセットテープを持って来てくれたアニキが、昨夜また段ボール一箱分を追納に現れる。適当に選んでかけてみると、コートニー・パインの90年”Closer To Home”が入ってた。私が持ってるCD(92年版)には収録されてるインタールードなどが入ってない最初のアルバム・バージョンのようだ。キャロル・トンプソンが歌う”I'm Still Waiting"が懐かしい!B面の一曲目だったんですね。

テープの音量レベルは+5dbほどとややツッコミ気味で、CDに比べると高音成分少なめで歪んだ印象だが、この時代のキラキラ薄っぺらサウンドをツッコミ気味のテープで聞くのも気持ちがいい。

そんなこんなでいろいろ聞いてると、熱く議論している声が入っているテープを見つけた。アニキが大学生の頃のサークルの会合の録音らしい。80年代のニューアカかぶれ的な喋りっぷりの留年先輩が、まだ2年生ぐらいのアニキに軽く説教をかましている模様だ。なかなかの入力感度で録音されていて、チョークが黒板に線を引くサウンドなどノスタルジックで素晴らしい。このテープは持って帰った方がいいよと救出。

また別のテープには、やはりハタチぐらいのアニキがミニFMの電波を飛ばして放送していた(おそらく誰も聞いていない)という自家製ラジオ番組が収録されていた。コンビニでバイトしていたという相棒が、当時の深夜放送にインスパイアされたであろうスネークマンショー的な喋りで当時のコンビニ模様をネタにしていて、それに合いの手を入れる、今よりもだいぶ控えめな若き日のアニキの声が涙の爆笑もので、これも救出返品。カセットテープってほんと泣ける。タイムマシンですね。
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翌日は前夜の流れで私が20代後半に愛聴していたコートニー・パインの90年代のCDを聞いた。がそのうち飽きて、そういえば先日大阪の浦朋恵さんのお店に飲みに行ってたブラザーにいただいた2枚の7インチを聞いてみる。
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「奈良生駒の山中でひっそり生きるアラサーOLのHERON!を発見。日向ぼっこがオレの趣味‼︎」というタグ書きにさすがの「ニューヒロバ画報」的文章センスを感じる一枚は、「イコマ」の「山ちゃんの朝は早い/アイスバイン」。ちょうどヘロン唱法が得意のピアノ王子が来店したところだ。でもインストなのでヘロン度はやや低めか。「肉食コラムニスト」としても名高い浦さんにして肉料理アイスバインと来るあたりが泣かせる。

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「(オルガン+リズムボックス+808)×クラリネットによる駅前スナックビルを彷徨うティミー・トーマスと、いつの間にか姿を消した大阪市営小型バスの思い出レゲー。」というもう一枚は、「エマーソン北村&浦朋恵」の「飲み歩くおばけ/消えた赤バス」。最近マイブーム気味だったティミー・トーマスを持って来るとは期待度高し!まさに説明文どおりのサウンド。そしてB面は、さっき聞いてたコートニー・パインと同種の感覚「思い出レゲー」。

http://uroros.net/newrelease/38691/

これらは、インスト専門のニュー・レーベル”TONGS INTERNATIONAL”から3月に出たばかりの最初の3枚のうちの2枚とのこと。後世に語り継がれるべき貴重なレコードをくれたブラザーは、浦さんをCane'sに呼ぼうと画策している模様。

そして最近大阪は難波あたりのディープエリアに転勤となった女史が、さっそく「ニューヒロバ画報」でSP盤のコラム「78回転の憂鬱」を連載されている「ガロート珈琲」に行ってみたとのこと。大阪との距離がさらに近づきつつあるのか!

私自身は大阪に全く縁もゆかりもございませんが、なぜだかカオリーニョさんとか山村誠一さんとか、AZUMIさんとか太一さんとか、京阪あたりのミュージシャンがよく来てくれる。東京あたりの人はあまり来てくれないのに、不思議です。不思議なご縁を感じております。


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by barcanes | 2017-05-09 23:34 | 日記 | Trackback | Comments(0)

憲法記念日と直接民主主義

5/3(水)

今日で憲法施行70周年なんですね。ジャン・ユンカーマン監督「映画 日本国憲法」(2005年)がネット限定配信ということなので見てみた。

たとえば「日本人」という言葉が使われる時に、それは「国民」を指すのか、国民の代表者としての「政府」を指すのか、国家権力の側にいると思っている人とそうでないと思っている人と、いろいろ曖昧になってしまって、それで憲法の立脚点も曖昧になっていっちゃうんだろうなあという気がした。

憲法は法律とは違う。憲法は国民のもの、と言った時に施政者の存在が消えてしまう。憲法は施政権力を持つ者に対して効力を発揮するわけだから、施政者が憲法を変えようとするということは、施政者に都合の良いものになってしまう可能性がある。というか高い。自らを律したりできる人はどうやら権力者にはいないらしいですね。

もちろん「改善」の余地はあるわけだから「改正」がダメなわけではない、という考えを持っていましたが、善悪とは都合の良いもの。やはり「改悪」の公算が高いので、現在の「憲法改正」には反対しておきたい。

2020年新憲法、なんて言ってる人がいますが、国家権力に守ってもらうということより、国家権力に殺されないことを考えたほうがいいのだろう。「守る」という言葉を使うときに生じる、守るものと守らないもの、内側と外側のラインは都合良く引かれてしまう。お国のために生きたり死んだり、なんて言ってしまうハメにならないように気をつけたいものだ。

それから時事ネタついでに5/1付のニュース。「離島を除けば全国で最も人口が少ない高知県大川村(約400人)が、地方自治法に基づき村議会を廃止し、約350人の有権者が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」を設置する検討を始めた。」という毎日新聞の記事。
https://mainichi.jp/articles/20170501/k00/00m/010/109000c?fm=mnm

人口減少の最先端で迫られた「直接民主主義」の動き、ということだが、NHKのニュースではこの件に「直接民主」の文言を使ってなかったと思います。(民主主義が完璧かどうかは別として、)直接民主制こそが我々の民主主義の進む道だと思っています。(もちろん世襲や天皇制に抵触しますが、特に否定するわけでもありません。)

どのように「直接性」を担保するか、またどのような漸進性をとっていくのかなど、課題はいろいろあるのでしょうが、我ら愚民としても決して不可能なことではないと思います。(非軍備かつ直接民主制というのは、人類史上まれにみるチャレンジかもしれません。)

代議制が限界を迎えて(ますよね?)いる現代だからこそ、「直接民主制」についての議論が各方面から盛り上がることを望んでおります。皆さんはどのようにお考えでしょうか。
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写真はカンケーないですけど、先日お花見をした時、お茶のコップの中に桜の花びらがヒラヒラと一枚舞い降りてきました。


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by barcanes | 2017-05-05 16:20 | 日記 | Trackback | Comments(0)