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一人が万人、ソウルはハートの下!

12/2(土)

昨日から7時スタート始めました。まあ誰もいらっしゃいませんでしたけど、その時間にいろいろやれることもあるので、余裕があって気分がいいです。そんな心機一転の気持ちで、この日のBGMはティト・プエンテの3枚組ベストCDの1枚目から。ファン研部長が先日とうとうマンボ・ブームに突入しましてね。(潤くんもカントリー・ブームで、みんな転機を迎えているのだろうか!)私もお店を始めた頃はラテンに傾倒していたことを思い出したのですよ。

近所の同業者がお客さん(なんと今西太一ファン!当店のライブ録音テープをお聞かせしました)を連れて来てくれた。ありがたい。彼は数少ない歳下の同業で、いいヤツだから仲良くしたいのだけど、なかなかお店にも行けてない。なんとお店バンドもやってるそうで、「じゃあバンド合戦しようよ!」と軽い気持ちで言ったら、生ダブにポエトリー・リーディングが乗るっていう高尚なことをやっているそうなので、これは完全に負けだわな。

でもすぐ近所なので、いつか一緒にイベントでもやりたい、ねって言って何年も経つけど、来年こそ何かやろう。こないだロケデリのコータロー君とも「来年は何かお祭りやろうね」って話したっけ。

前半はスロースタートでしたが、1時ぐらいからとととっと来客あり。みなさん2軒目あるいはもっと?という風で、今日からちょうどの12月っぽい感じ。「今日なんかいつもと違うね」とまだ1軒目のアニキ(佐野元春、泉谷、そして休みの国を聞く)が囁く。二人組のパイセンの方が責任感からくるストレスで酔いつぶれて(笑)寝てしまった、残された方の銀行屋さんがカウンターに移動してくれて、彼を交えていろいろな話をした。

人員削減とAI化の寄る波に対して(並行して)長いスパンで見れば接客サービスが、たとえ目先の収益が上がらなくても企業ブランドにとって大事であると、社内で抵抗しているそうだ。ものづくりだって機械にしたって長く付き合える、ということには目先の瞬発的な利益以上のものがあるはずだ。

お店にしたって。「こういう店がこれからもっと大事になってきます。」と彼が言ってくれた。お金の話は自分には全く分からないが、車内の労働管理(PCにログインして出社、残業は学習という名の下にオンラインで管理されている。そんなの無理だわあ。遠隔操作できる家電みたいやん)や住宅ローンに対する本音など、普段聞けない話が聞けて面白かった。パイセンも無事起きてお帰りになられました朝5時。我々の世代がやらなきゃ(抵抗しなきゃ)ならないことがあるんだろうと、みんな思っているような気がするこの頃です。

2時すぎにまだ1軒目の常客と、昨日買ってきたカセットを聞きつつ、仕事での回り道してしまったプロセスについて。紆余曲折して結局最初から分かっていたようなことに落ち着いたことは、自分の経験としては無駄ではない(道草ってやつです)が、やはり能率が良くない。心を惑わすような条件があったかもしれない。悪戦苦闘して余計な時間を費やすよりも、とりあえず逃げてみたりすることによって心を健やかにできるならその方が得策だ。むしろそのことの方が難しいとさえ思える。他人からのバッシングにも苛まれぬ、自信や自意識を強く保てる人なら別かもしれないが。

ちょうど昨日、電車に乗るので本棚から軽く引っ張り出してきた文庫本が、「こころ」の回復傾向にある私にちょうどよかった。その中から、考えさせられる一文を。

『イメージで言えば、心の下にたましいというのが存在しているので、心の支えになっているものは、たましいの上にのっかっているので、それが大きくなってくるほど、たましいの方は重荷に感じる、というわけである。
(中略)
たましいの特徴は矛盾に満ちている。人間の心はそのなかに矛盾が存在するのを嫌うので、たましいの方は矛盾をかかえこむのだ。たましいは極めて個別的であると共に、極めて普遍的である。(中略)たましいに頼ることによって、世界は急激にひろがり、普遍的なつながりがでてくる。
(中略)
一般に抑うつ症の人は、生真面目に「わけのわかる」解決策をいろいろと考えて、どれもうまくゆかずに余計に苦しんでいる人が多いのである。そんなときに、筋道たてて考えることをやめ、今まで、自分の心を支えてきてくれた基盤が、実はたましいという存在の上にのしかかって重荷になっている。それじゃ、たましいの方にもうひとつ強い支えをつくらなくては……などというイメージの世界に遊んでみることの方が、はるかに早く解決を生み出すと思われる。』
(河合隼雄「こころの処方箋」新潮文庫)

「こころ」に対して魂とは何であろうか。例えば死んであの世に行ったときに、閻魔様に覗かれるようなものか。私はソウル・ミュージックが好きなのに、自分のソウルが分かってないのだろうか。いや、Lost Soulしてしまっていたのだ。ソウルはハートの下。下だよ下!(しむら〜うしろうしろ!的な。)

会社員などと違って、一人で仕事をしているような人は気楽でマイペースで良いはずなのだが、共に戦ってくれる人も張り合う相手も愚痴を言い合う人もいないわけで、こころの逃げ道がないのである。(組織の中でもそうなのかもしれないが。)だから我々はソウルを強く持たなければならないのだ!

私はお客さんの愚痴を聞くのも商売だが、それは立派な商売だと思っているし、同時に自分の愚痴も聞いてもらっちゃってイーブンだとも思っている。少ない客数でも一事が万事。それをもじって最近は「一人が万人」だなと感じたりする。一人の問題の中には万人の問題が含まれている。話にしても音楽にしても、一人でも聞いてくれる人がいて、感想を述べてくれれば、それは自分の中だけの世界から広がりを見せる。それは万人にまでつながるかもしれない。次はこうしてみようというヒントが生まれる。時には褒め合ったりして気分を良くするのも大事だ。他に誰も褒めてくれないもんね。

誰にでも同様に接することはできないが、こうして話せる常客のいることが、私の心以上(いや以下か)に、魂の方に作用してくれているんだと思える。ソウルの問題だ。で、こないだのライブ録音のユカリさんのドラムの録れ音で喜んで、朝7時なり。

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南口のOPAにいつの間にかできていたVANDA RECORDSというCD屋(所沢が本店だそうです)に昨日初めて行ってみました。邦楽(J-POPっていうんですか?)中心ですが、洋楽も少し置いてあり、AtlanticやWarnerの1000円シリーズの残り香が。あと中古コーナーも。奄美の歌姫2人(中村瑞希、牧岡奈美)とおおはた雄一君(一度お店にいらしたことがあるので君付け)2枚を各300円で救出。


by barcanes | 2017-12-02 19:41 | 日記 | Comments(0)