Thelonious Monk 100

10/10(火)

1917年10月10日生まれのセロニアス・モンク。今日でちょうど生誕100周年。10×10で100。ちょうどイベントの続く「文化祭ウィーク」の谷間に空いた日だったのも何かのご縁。密やかにモンクだけを聞く一夜ということで「モンク100周年」を祝ってみた。

モンクを時代別に大別すると、57年(麻薬所持により剥奪されていたキャバレーカードを取り戻し演奏許可を得る)を激ピークとする50年代(主にPrestigeとRiverside盤)と、メジャー(Columbia)に移っての62年から 68年と、それらの全てが既に内包されている47年bluenoteの自分名義としてのデビュー盤ということになろうかと思う。

私はレコードCD合わせて20枚ほどしか持っていなくて(オリジナル盤も一枚もなし)、モンクの全キャリアを語るには程遠いのですが、今回はあえて自分の中ではヘビロテである“Solo Monk”、“Underground”など比較的よく聞いているものは除いてみた。今夜のプレイリスト。

1, Plays Duke Ellington (1955)
2, Criss-Cross (1962)
3, 1963 In Japan (1983)
4, Mulligan Meets Monk (1957)
5, The Unique (1956)
6, With John Coltrane (1957) 85年CD
7, Thelonious Monk (Trio) (1954)
8, Straight, No Chaser (1967)
9, Genius Of Modern Music Volume One (1947)
10, Thelonious Himself (1957)
11, Thelonious Alone In San Francisco (1959)

今回はこの中でもbluenote盤以後の最初のリーダー作であり数少ないトリオ作でもある54年のPrestige盤(その名も”Thelonious Monk“)が特に面白く聞けた。特にアート・ブレイキーとの相性が最もマッチしているように思えた。

“Plays Duke Ellington”、“The Unique”もトリオ。モンクはソロピアノのアルバムが4作ある他は、カルテットなど管が入ったものがほとんどで、実は57年から60年代を通してほぼトリオ作がないのだ。このところずっとピアノトリオのサウンドに取り組んできたのもあって、興味深かった。

モンクの音楽は、度合いはどうあれ精神に病的なものを持っている者にとっての光明であり救いでもあると思える。多くの芸術作品がそうであるように。ある者にとっては聞くに耐えないかもしれないし、ある者にとっては取るに足らないかもしれない。と同時にある者にとっては他には得られないような美しさであるのだろう。

ラストレコーディングは71年、50代前半でキャリアをストップさせて引退というのも珍しいパターン。20代の時に作った代表曲を何度も演奏し直して、発展/崩壊させていった。発展と崩壊が同居していて、というより発展と崩壊は同義であるということを表現していたのではないかと自分には感じられる。そのような「美しさ」なのではないだろうか。

自分の持っているのは安盤ばかりで、日本盤モノラルLPの音は酷いし、逆にリマスターCDの方はキレイすぎて、やはりオリジナル盤の音などを聞いてみたい。モンクとは今後も付き合っていくだろうから、ディスコグラフィーを埋めていきながら、いつか良い盤と巡り会えることを生涯の楽しみにしたいと思う。

それにしても平日の静かな時間に、一人でレコード音楽に聞き入るということが久しぶりな気がした。(ヒマな時間は自前の録音物を聞いていることが最近は多いので。)モンクを聞きに来てくれた方は一人だけ(女性!)いたが、特に語り合うことはなかった。モンクは語り合って共感を得るようなものではないのだろう。みんな違う感じ方をしているのだと思う。それで良いのだ。

深夜に大音量でモンクをかけていたら、レコードが好きという若い女性客が来店。(女性客が来ることを殊更アピールしておきたい!)モンク100周年ありがとう。

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当店の片隅からモンク師が見守っております。キャリアのターニング・ポイントと言えるであろう”The Thelonious Monk Orchestra At Town Hall” (1959)が録音されたコンサートのポスター。


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by barcanes | 2017-10-11 05:30 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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