やめた/やめないワンマンショー!

7/29(土)

今年2月以来半年ぶりの太一さんは、ヒマワリのような髪型に62年のオールドGibson J200で、約100分ハーフタイムなしのワンマンショー。酒を止め、タバコはアイコス。寂しくはなかった。むしろ健康を手に入れ若返ったような生き生きとした歌声が嬉しかった。

とうとう捨てたのだ。歌い続けること、全国各地のファンと未だ見ぬ聴衆に歌う姿を見せ続けることを、捨てることで選んだのだ。酒とタバコの飲み屋としては寂しいことかもしれないけど、私はもはや悲しくはない。音楽イベントでも酒を飲まない人が増えているのだから、ごく自然なことなのだろう。音楽と酒の時代はもうすぐ終わるのだろう。というか既に終わっているのだ。酒がなくても酒場じゃなくても、音楽が成立するならそれで良いはずなのだ。

むしろ音楽は酒を必要とせずに成立するべきなのだ。太一さんの歌も、酒なしに成立する。それを実践して証明したのだ。燃料なしにも燃焼することができる。持続可能な回路を開発したのだと思う。物足りなさは全く無かった。燃えカスや排ガスが残ったとすれば、それは終演後に燃え残った我々だ。そんなものは放っておけばいい。それでいいのだ。

どんなものでも、何かを掴むためには捨てるものが必要である。「何も終わりはしない、ただ変わってゆくだけ。」私は歌う場を提供することしかできないから、元気とちょっとした涙と、燃え残りの熾火をもらうだけで十分なのだ。

人生だって酒を必要とせずに成立すべきだ。酒場をやっている私だって、酒を信奉しているわけではない。ただ飲まずにはおれない歌や音楽や世情があり、飲まずにはおれない人がいる間は、私とこの店にもまだ存在意義はあるのだろうと思う。酒はやはり燃料で、信じるとすれば「火」の方なのだ。熱は電気でも原子力でも作れるかもれない。酒なしに熱くなれる人もいるだろう。しかし火には燃料が必要だ。エコカーの世の中になっても、まだしばらくはガソリンスタンドがあっていいだろう。セルフサービスはやめてほしいけど。

太一さんのライブは、私にP.A.の初歩を教えてくれた恩人でもある「太陽ぬ荘」社長の相澤くんがP.A.をしに来てくれる希少な機会でもある。スゴいインターフェイスのマシンを使って見せてくれた。デジタル・エフェクトはものすごいことになっていてビックリした。私にできるのはそのラインアウトをカセットデッキに突っ込んで録音することぐらいだった。

1、四条河原町
2、時々
3、freeday’s
4、ビューティフルデイ
5、春だよ
6、自分を讃える詩
7、青春
8、旅人の約束
9、ミラクル
10、ヤングハート
11、人生最後のショーのように
12、しゃがれたトロンボーン
13、少年
アンコール、ハートの問題

「自分を讃える詩」を久しぶりに聞いて涙が出た。他人に肯定してもらう以前に、自己肯定ができてないのだろう。相変わらず「人生最後〜」の「俺の自転車はまた持っていかれちまった」のセリフに泣かされるのは何故なんだろう。「また」がキモなんだろうな。

新曲「ミラクル」の「やめない、やめない、オレはやめない」というところがなんだかビミョーに、ぐらついた杭のように刺さってグラついた。覚悟や約束は、それが守られようと破られようと、断言できる人とできない人がいるのだ。私は、できない、というよりしなかった側につき続けるだろう。もしくは、言ったかもしれないけど言わなかったことにしとく。なぜなら、酒場の人間だから。火に油を注ぐのは得意ではないが、消えかかった種火を絶やさないような酒を注ぎ続けたい。

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リハ中の太一さんと社長。

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なっちゃんも(お父さんの)応援に来ました。

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今回の新譜「ミラクル」のジャケットは、いつも撮影に来ている米倉さんが撮った写真ですが、Cane'sでの写真だと太一さんが気付いたのは最近だそうです笑。


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by barcanes | 2017-08-03 04:13 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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