バシェ音響彫刻のみを使った楽曲の初録音

7/3(月)


「バシェ音響彫刻」については私が説明できるものではないのだが、つい先日の京都芸大での録音を聞かせてもらったので、頑張って書いてみよう。

1970年の大阪万博の時に展示されたフランスの芸術家バシェの作品に触れたのが、音楽家へになるきっかけだったという沢田さん。金属の立体芸術作品でありながら、観客が実際にそれを触ることもでき、叩いたり擦ったりして様々な音色を奏でる楽器ともなる。万博以降は解体されどこかに眠ったままになっていたものを修復するプロジェクトが進んでいるそうで、全17体のうち6体が修復済み。

かの坂本龍一がそれを使っといていろいろ言ってらっしゃるそうですが、沢田さんはバシェに積年の深い思い入れがあるからこそ、コントラバス奏者ならではの弓使いで新たなサウンドを生み出すことに成功しているとのこと。万博当時は武満徹が図形を用いた楽譜で作曲したものが演奏されたこともあったらしいが、今回は全てバシェ音響彫刻のみを使った楽曲の、しかも録音作品としては初めてという試み。合ってますかね、これで。

電気を使わない金属音響と言えば蒸気機関車のサウンドを連想したが、それほどの大音量ではないとのこと。それにしても多彩な音色。非楽音とも思える音の連なりや積み重なりが、メロディーや和音の代替物としてではなく、むしろ操作可能な形に至ったそれらが形を失って行き着くところ、あるいは形を持つ以前に目指していたであろうものの姿のように感じられてくる。

もちろん、アクシデント的な音の発生を楽しむようなところもあるのかもしれないが、限りなくコントロールに近づいているように聞こえる。音楽の始まりと終わりを感じさせながら、しかし純粋に、音色を発する物体への子供のような興味が勝っている。子供の落書きと芸術との近似と相違さえ感じさせつつも、しかしここに聞こえてくるものは壮大なオーケストレーションのようでもある。楽曲として構成された、何楽章かの組曲になってます。個人的には特に重低音のまろやかさがツボでした。

そのあとは一人、明日図書館に返さなくちゃならないSLのレコードをテープに落としたりしているうちに、現れた深夜部員とまたバシェを聞いて一日が終わった。オレ、今日バシェとSLしか聞いてないやー。

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by barcanes | 2017-07-05 06:37 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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