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Voices Inside #112 Jamaica Meets R&B

6/17(土)


レゲエ以前のスカやロックステディ時代のジャマイカ音楽と、それらに影響を与えたと思われるニュー・オーリンズR&B、コーラス・グループ、シカゴ・ソウルなど、50年代60年代のアメリカのブラック・ミュージックとの呼応関係を巡る企画。ジャマイカ側をゲストのお二人、MIZUNOさんとNakahashiさんが、アメリカ側をレギュラーの3人が担当し、時代感と、すなわち音の感触の違和感のない中で、相互にいろいろなタイプの音楽がかかって、とても楽しく興味深いイベントになった。

おそらくジャマイカ側がどのようにアメリカの影響を受けたのか、はっきりとしたデータを基にしているわけではなく、憶測や感覚で繋がりを感じながらのテーマ感だったので、あまり解説も入らず、説教臭くならなかったのも良かったと思う。このようなジャンルを超えてのブラック・ミュージックの繋がり、まさに「インター・ブラック・ミュージック」という視点は、このイベントが始まった当初のイメージでもあったので、Voices Insideらしい、とても良い企画になったと思う。

たくさんのお客さんも来てくださって、当店としても久しぶりの大盛況だった。皆さんCane'sにしては珍しい盛況ぶりに、驚きつつ喜んでくれていたと思う。終盤どっと来店者が増えた辺りでややカオスな状況になった。そういう時に小さなトラブルがまとまって起きるものだ。しかし地に足のついた音楽が黙々と仕事をさせてくれて、その状況を救ってくれた。いやあ、この日もよく働かせていただきました。

ジャマイカにも届いていたであろうラジオの放送音源から始まった、ウェイラーズのようなジャマイカ人の3人組コーラス・グループをモデルにした潤くんのストーリー・テリングも素晴らしく、最後にはちょっとうるっときてしまいました。

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終演後にはもうひと波乱。それを飲まずには受け止めきれなかったアニキは、そのまま寝落ちてしまったのでした。この国の政治への疑問としてグチにするのはいいと思う。誰しも自分の問題を抱えて、時事ネタはそのハケグチとなりうる。でも国の方向性の前に自分のこと、プライベートな方向性で人を巻き込むのも大変です。私は店の人間だからいいですけどね。

トラブルが起きるのも盛況のしるしかもしれない。人と人が出会いぶつかり合い、良い方に転がっていくことだって良きトラブルなのだ。でもトラブルが起きると数少ないお客さんがさらに減ってしまうのが悲しい。例えばお客さん同士の恋愛は、ダメなら少なくともどちらか、下手すれば二人とも来なくなってしまう。ケンカも然り。

でもうまくいったらうまくいったで何かが変わって、いつかは来なくなってしまうのだから、万事流転か。出会いと悲しさとは常に隣り合わせの商売と分かっているとは言え。やはり自分のスタイルや方向性を持ち続けていないといけないって思わされます。それも私の場合、流転しちゃうのですけど。だから長く続けてくれるイベントとかすごく大事だし有難いのです。

すべてうまくいくような方法はないだろうか。ま、ほっとくしかないか。それに他人のことより自分のことだ。続けていくしかない。もうすぐライブに来てくれるAZUMIさんの歌の一節でも口ずさんでみる。

「悲しい夜は自由になれる
俺は俺だけ見つめていればいい」


by barcanes | 2017-06-23 12:24 | 日記 | Comments(0)