かわECMからの海賊
2017年 06月 07日
5/24(水)かわECM
元祖カウンターDJリスニング実験室「かわECM」13回目は、ネタに尽きてきたのでフリー・テーマ。気楽な選曲で良かったのだけどやや気楽すぎたか。かと言って全体をあるテーマで縛るのも厳しい。ならば次回は1時間ほどの軽いテーマを決めて、あとは自由にということにしようと。
田尻のソロピアノ・コーナーには沢田曲が初登場。そしてサウンドガーデンのクリスコーネルの追悼として、今年のCane'sの周年の時にも弾いてくれた”Black Hole Sun”など4曲。
1.西から東の風が吹く/沢田穣治
2.Ghost in the Rain/田尻有太
3.Free
4.Black Hole Sun / Soundgarden
世界に羽ばたく(予定)タジリンのソロピアノが今回も素晴らしかった。録音もしてあるので、どうにか世に出したいと思う。今回のクラシック・コーナーはパガニーニのバイオリン・ソロ関連。もはやクラシックをかけても違和を感じなくなった。というか、もっといろいろ聞いてみたい。
かわい君の選曲はパット・メセニーで締め。で、その後なに聞こうかなと。先日いただいたカセットテープはMo’Waxのコンピレーション”Royaltie$ Overdue”(1994年)。いきなりパット・メセニー・グループのサンプリングが! なんと素晴らしい連鎖。(D.J. Takemura(竹村延和)の”Harmonium”でした。)
でその後、深夜の音響部員といろいろカセットの音を見ながら、「音を観る」って書いて観音じゃね?なんて話から、三浦半島の観音崎になって関東平氏の話へ。霞ヶ浦が東京湾と同じぐらい広かった時代、水運を握っていた豪族の力が当然強いということになる。鎌倉以前の関東の中心地は、仙台への中継地、茨城は鹿島あたりだろうか。古の東海道はもちろん横浜や江戸には向かわず、鵠沼から鎌倉を抜け三浦から房総へと海を渡るルートである。
将門が政庁を置いたとされる岩井というところは、現在の茨城と千葉と埼玉の境あたり。霞ヶ浦はこの辺りまで広がっていて、旧利根川水系は東京湾に通じている。三浦平氏までもひとっ漕ぎ。要するに北には上野下野を抑え、南に向かっては水運の要のような立地であったわけだ。
勝手に盛り上がってしまって、そんな無駄話を音響部員に一方的に聞かせているうちに気づいた。この辺りは海伝いに縄文遺跡があり、紀伊からは漁師たちが房総へと移り住み、上方との水運が結ばれてゆく。要するに海賊である。海賊的なカセット・レーベルでもやって田尻の録音を世に出してやれば良いではないか。なにもちゃんと体裁を整える必要はない。海賊レーベルで十分であろう。