また来てくださいよ

5/30(火)

昨日今日と初めて来た方、久しぶりの方など、平日にしては来客があった。去って行くお客の多いシーズンだったから、また新たな来客があることが救いである。そんな中、レコードのリクエストに応えているうちに、聞き慣れたものが流れて安心してしまうのだろう、お客さんが寝てしまったりすることがある。

最初は気構えている。私も自分からはあまり話しかけないから、音楽の話をしてくださったりして、リクエストにお応えもできれば話も弾む。ようやく気もほぐれてきたところで終えられればちょうどいい按配なのかもしれないが、酒が進んで下さるのも嬉しいので、つい度を超えてしまう。寝てしまったことを気にして、もう次はなくなってしまうこともある。度を超えることも寝てしまうことも構わないのだが、ただ来なくなってしまうのは寂しい。また来てくれるといいな。

遅くには久しぶりの友人。独立して一年。開業のための借金返済を孤独に背負う職場と家庭との往復の日々。土日も仕事ではこれまでの友人とも会えない。趣味はあるけど一人でやるようなことだから、仕事と家庭以外の他人と関わることがほとんどない。

それが個人事業の辛いところだよねと、上段から構えて見せるが、私には友達のように接することができるお客が少なからずいるじゃないかと言われる。借金もないし。しかし、桁は違うが毎月の支払いと将来への不安は誰しも変わらない。辛いのはみんな同じだ。

勤め人と経営者では違うのかもしれないが、勤め人には勤め人の、経営者には経営者のプレッシャーや不安があるだろう。私は就職が嫌で、雇用されたこともないから勤め人の気持ちがわからない。それは幸せなことかもしれない。よく一度くらい就職した方がいいって言われたけど、比較しなくて済むからよかったのかもしれない。

それにしたって、職場と家の往復だけでは精神的にやっていけないだろう。我々には音楽があって良かったと思える。音楽のおかげで、他人と何の役にも立たないくだらない話ができる。何かより良いと思えるものを目指したり、工夫して問題に対処したり、そうしながら価値観を共有したり、あるいは共感しなくてよかったりもできる。

芸事やスポーツのような他人と関わって話すことができるものというのは、もはや趣味を超えて、生きるために必須のものなのだ。酒場もまた、他人と関われる場所であると思うのだが、私の店は音楽の趣味に大きく偏ってしまったと思われているだろうし、平日は私の他に誰もいない時間も多いので、音楽趣味人以外は足が遠のいてしまうのは否めない。それでも僕だけはいつもここにいるので、せめて愚痴でもこぼしに来てほしいな。っていうか僕の愚痴を聞くハメになるかもしれないから足が遠のくのかもね。

私も精神を病み過ぎないように生きるためには心を傾けられる趣味が必要で、話せる仲間が必要だ。もしかしたらうちに来てくれる趣味人たちもそうなのだと思う。身に染みて感じるようになってしまったけど、生きていくのはほんと辛いよね。皆さまも職場と家の往復の日々の緩衝に、ぜひ酒場へ寄り道を!

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なっちゃんが「何の絵描いてほしい?」と言うので、チリコンカンの絵をリクエストしました。


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by barcanes | 2017-06-02 16:28 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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