ノーマライゼーション

3/26(日)

私は高齢者施設で働いている。利用者さんのある女性は認知症とされているのだが、私の身体的特徴をしつこく言ってくるので、とうとう怒ってしまった。「最近冷たいじゃない。」怒った理由を言うと、「なんだそのことだったの。ごめんなさい。」素直に謝ってくれた。だから許した。認知症なんて言ったって、ちゃんと憶えているのである。

職場では近頃「ノーマライゼーション」ということを言われる。私はこの言葉が嫌いだ。福祉の世界では健常者と障がい者が共に生き、同様に扱うべきという意味で使われる。(音楽では音量の均一化、数学では正規化、工業などでは規格化あるいは標準化(Standardization)という意味もあると思う。)利用者さんのわがままに全て対応できればそれは理想かもしれないが、人手が足りないのが現実だ。若いスタッフたちに仕事の優先順位をいちいち自分で判断させるのは難しい。

それに利用者さんを区別せず健常者と同様にと言ったって、ここではお客さんなのだ。程度の差があるにせよ認知症と一様に診断しておいて(それこそ均一化ではないか)、個別の対応を現場のスタッフに委ねるのには無理がある。それこそ利用者さんはそれぞれのスタッフに対しても個別の感情を持つ人間である。一様にノーマライゼーションなんて言っていたら、こちらがマニュアル通りのロボットになるしかないだろう。

だから私が怒ったのは、むしろそれこそノーマライゼーションじゃないだろうかと思う。利用者さんだろうが認知症患者だろうが、そしてお客さんだろうが、嫌なことを言われたら怒りたくもなるし、機嫌の悪いことだって調子の良くないときだってあるのが人間なんだ。人間と人間が対等に付き合うのがノーマライゼーションだって言うんだからさ。

そうして考えてみるとさ、他人行儀の笑顔の接客なんてさ、ノーマライゼーションじゃないじゃない?よそよそしいサービスなんて求めてないよ。こうやって話しに来てるんだからさ。だいたい健常者なんておこがましいんだよ。「非患者」っていう言葉があるんだよ(©︎中井久夫)。みんな度合いの差はあれ障がい者みたいなものだろう。あんただって協調性の欠如した社会不適格だろうし、発達障害みたいなものでしょ。

ええ、そうですとも。この店も飲み人同士の、主客同等のノーマライゼーションでやってきちゃいましたからね。小雨降る肌寒い日曜日の「アイリッシュ・セッション」(今回から5時スタートです)が終わった後、そんな話をしました。

稀勢の里が優勝決定戦を制して涙の逆転優勝。甲子園は2試合連続で延長15回引き分け再試合。向かい風の冷たい雨の中佐倉マラソンを走ってきたアニキは2時間52分というタイムで6年連続サブスリーを達成。ふらっと入ってきたお客さんは神戸でミュージック・バーをやっているという外国人の方。そして「アイリッシュ・セッション」は今回も参加者ゼロを免れた、そんな日曜日でした。
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by barcanes | 2017-03-28 00:38 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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