SP盤SP前夜祭

2/10(金)

なっちゃんが幼稚園に行くのと同じ時間に家を出て、一週間分の溜まったブログを書きに喫茶店の窓際に座ると、午前中は暑いくらいの日差しもあったのに午後からは雪が降った。まんまと天気予報は外れて冷える夜。暖房も効かなくて寒い夜でした。去年の正月の「SP盤スペシャル」の録音を聞きながら待っていました。明日の準備のメンバーが来るのを。

たまたまいらした客人が理解ある方で、興味を示してくれた。聞けば家具職人。音楽好きでしかも木が相手なら(家具になるような木は人間よりも古いでしょうから)、古い録音に共感を示すに決まってる。長い年月にわたって愛されるものを作ろうと思うだろうから。古い音楽を愛する者は、自分も時代を超えるものを持っていたいと願うものです。変わらないことによって。あるいは変わり続けることにもよって。

日付が変わる手前ぐらいからようやくメンバーが集まり、明日のセッティングが始まった。まずは水平を取り針圧を確かめ、いくつかのSP盤用カートリッジを試してみる。盤によっては針ブレがヒドいものもあり、いろいろ微調整して工夫する。センターずれ、盤面の反り歪み、そしてジャンルや演奏されている楽器によって。いい夜中にオッサンたちは落ち着きのない少年のよう。細かな違いに敏感になっている。最終的には歌ものと楽器もので分けて考えようということになる。
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ゲイトマウス、T・ボーン、Chessのシカゴ・ブルースにアイク・ターナー、美空ひばりや名古屋万歳、ジョニー・ギター・ワトソン、サニー・ボーイ、エルモア、ハウリン・ウルフ…。明日にも聞けるだろうけど、今夜は前夜祭だ。私は先日友人からもらったマリリン・モンロー(ノー・リターン)やヴィクター・ヤング(チャップリンのライムライト)などをかけてみる。それらは拭いたら真っ黒で、もしかしたら何十年ぶりに溝を擦られた盤かもしれない。

SP盤はタイムマシンだ。私は終始にやにやしている。久しぶりに口角が筋肉痛気味だ。古い時代の肉声がここに蘇っている。過去にできたことが現代の利便なレコーディングに不可能なのは、たぶん空気の音が、丸ごと含んでくれるような距離とその音が含まれていないからだろう。音楽に奥行きがあり、それはスピーカーから離れるほど増幅し立体化する。目の前に音楽が再現される。ハイファイにではなく、ザラッとした手触りでそこに現れる。そこにゲイトマウスやアイクがいるのだから、これは魔法に違いない。

みなさんも魔法をぜひご覧あれ。2/11(土)「SP盤SP vol.2」夜7時からですよ。


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by barcanes | 2017-02-11 14:15 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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