New OrleansとそのFunk、入魂の50曲
2017年 02月 10日
2/3(金)
金曜日のカウンターDJシリーズ ”Free Friday” vol.21は”Voices Inside”でおなじみ二見潤の「潤キン」の6回目。「Crescent City 金(Gold) ~Fun金 For NOLA~」というタイトルで、New Orleans Funk特集でした。2月といえばNew Orleansはマルディグラのお祭りですし、Cane'sでは2/18(土)の”Voices Inside”でもNew Orleansスタイルのブラスバンド”Funk Up Brass Band”をライブ・ゲストにお迎えしてNew Orleans特集の予定です。
潤くんと最初に意気投合したのもNew Orleans、特にブラスバンドの話だったと思います。New Orleansに共通の知り合いがいたりして。New Orleansにはみんなを繋ぐ磁力のようなものがあります。New Orleansが好きなら大丈夫みたいな。何が大丈夫か分からないんだけど、少なくともアメリカのブラック・ミュージックの始祖の地でありながらその他の場所とは違う、むしろどこか取り残されたような独特の流れを保ってきた、聖地と呼ぶにはあまりにも粗野で飾りも飾られもしない、そんな原始宗教信奉と言いますか。ポップ・ミュージックの歴史を途中から語ることの不躾さ(我が国を戦後から、あるいは明治維新から語るようなものですよ)をいつでも教えてくれる街です。
さてそんな街への聖地巡礼を10数回も重ねている筋金入りのNew Orleans修験道者による、入魂の50曲。以下のような章立てを見るだけでも、その愛と理解が表現されていることがお分かりになるかと思います。え、分かりませんか?そりゃ聞かなきゃ分かりませんけどねえ。
<In The Beginning ~Syncopated Thing~>
<Allen Toussaint Connection ~Birth Of Bayou Funk~>
<Street Beat ~Injuns Here Dey Come~>
<Teasin' You ~Man From Calliope Project~>
<Eddie's Groove ~Check His Bucket~>
<Creole Beethoven ~Wardell's Malaco Bounce~>
<Fonkin' Pneumonia ~Huey's Got New Bag~>
<Last But Not Least ~Other Funky Stuff~>
主に60年代後半から70年代半ばにかけてという時代は、当然James BrownのFunk勃興〜隆盛期と重なるわけですが、それにしてもファンキー・ドラムの原初と言われている55年の”King Cotton”から始まったのには興味深かった。New Orleansはやはりドラム。数々のドラマーとそのリズムがミシシッピ川河口近くのこの街の源泉から湧き出し、音楽の川下に向かって流れて行ったのです。
ですからNew Orleans Funkと言うのは”Funk”というカテゴライズにおける下部ジャンルというわけにはならない、というのが私の考えです。少なくとも並立です。JBやSlyなどの勃興Funkとの絡み合いの中で、元を正せば共に、あるいは大方は、New Orleansビートから生まれたのですし、それは汎アフロ・カリビアン+白人的な、つまり混交混血ビートなのでしょう。異質なもの(者)の共存によってFunkが生まれるのです。
New Orleansは未だにそのような異質なものを受け入れ続ける包容力を保っているように見えますし、逆に言えばひとつのスタイルとしてはまとまらず、いろいろなものが生まれては消え、保持されたり変革されたりしている。(ですから観光客相手には分かりやすくディキシーみたいなオールド・ジャズだったりするわけだけど。)今回の選曲も、Meters やインディアンFunkや単発ヒットものなどの他は、わりとマニアックで聞いたことのないものばかりでした。大所帯Funkも少ないですし、むしろ80年代半ば以降はブラスバンドにそのファンクネスが受け継がれていくと言えるでしょう。終演後は”We Come To Party”(1997年)を聞きました。これがRebirh Brass Bandのベストという私と潤くん共通の見解です。
イベント後半には来客が多くなり、ちゃんと聞けなかったのですが、ちゃんと録音してあります。聞きたい方がいらっしゃれば再放送いたしますよ。
金曜日のカウンターDJシリーズ ”Free Friday” vol.21は”Voices Inside”でおなじみ二見潤の「潤キン」の6回目。「Crescent City 金(Gold) ~Fun金 For NOLA~」というタイトルで、New Orleans Funk特集でした。2月といえばNew Orleansはマルディグラのお祭りですし、Cane'sでは2/18(土)の”Voices Inside”でもNew Orleansスタイルのブラスバンド”Funk Up Brass Band”をライブ・ゲストにお迎えしてNew Orleans特集の予定です。
潤くんと最初に意気投合したのもNew Orleans、特にブラスバンドの話だったと思います。New Orleansに共通の知り合いがいたりして。New Orleansにはみんなを繋ぐ磁力のようなものがあります。New Orleansが好きなら大丈夫みたいな。何が大丈夫か分からないんだけど、少なくともアメリカのブラック・ミュージックの始祖の地でありながらその他の場所とは違う、むしろどこか取り残されたような独特の流れを保ってきた、聖地と呼ぶにはあまりにも粗野で飾りも飾られもしない、そんな原始宗教信奉と言いますか。ポップ・ミュージックの歴史を途中から語ることの不躾さ(我が国を戦後から、あるいは明治維新から語るようなものですよ)をいつでも教えてくれる街です。
さてそんな街への聖地巡礼を10数回も重ねている筋金入りのNew Orleans修験道者による、入魂の50曲。以下のような章立てを見るだけでも、その愛と理解が表現されていることがお分かりになるかと思います。え、分かりませんか?そりゃ聞かなきゃ分かりませんけどねえ。
<In The Beginning ~Syncopated Thing~>
<Allen Toussaint Connection ~Birth Of Bayou Funk~>
<Street Beat ~Injuns Here Dey Come~>
<Teasin' You ~Man From Calliope Project~>
<Eddie's Groove ~Check His Bucket~>
<Creole Beethoven ~Wardell's Malaco Bounce~>
<Fonkin' Pneumonia ~Huey's Got New Bag~>
<Last But Not Least ~Other Funky Stuff~>
主に60年代後半から70年代半ばにかけてという時代は、当然James BrownのFunk勃興〜隆盛期と重なるわけですが、それにしてもファンキー・ドラムの原初と言われている55年の”King Cotton”から始まったのには興味深かった。New Orleansはやはりドラム。数々のドラマーとそのリズムがミシシッピ川河口近くのこの街の源泉から湧き出し、音楽の川下に向かって流れて行ったのです。
ですからNew Orleans Funkと言うのは”Funk”というカテゴライズにおける下部ジャンルというわけにはならない、というのが私の考えです。少なくとも並立です。JBやSlyなどの勃興Funkとの絡み合いの中で、元を正せば共に、あるいは大方は、New Orleansビートから生まれたのですし、それは汎アフロ・カリビアン+白人的な、つまり混交混血ビートなのでしょう。異質なもの(者)の共存によってFunkが生まれるのです。
New Orleansは未だにそのような異質なものを受け入れ続ける包容力を保っているように見えますし、逆に言えばひとつのスタイルとしてはまとまらず、いろいろなものが生まれては消え、保持されたり変革されたりしている。(ですから観光客相手には分かりやすくディキシーみたいなオールド・ジャズだったりするわけだけど。)今回の選曲も、Meters やインディアンFunkや単発ヒットものなどの他は、わりとマニアックで聞いたことのないものばかりでした。大所帯Funkも少ないですし、むしろ80年代半ば以降はブラスバンドにそのファンクネスが受け継がれていくと言えるでしょう。終演後は”We Come To Party”(1997年)を聞きました。これがRebirh Brass Bandのベストという私と潤くん共通の見解です。
イベント後半には来客が多くなり、ちゃんと聞けなかったのですが、ちゃんと録音してあります。聞きたい方がいらっしゃれば再放送いたしますよ。
入魂のレジュメです!
リバースのこのアルバム、"Let's Get It On"のいい加減なカバーも最高だし、"U Been Watchin' Me"はParliamentの"I've Been Watching You" に対するアンチテーゼにしてナイス・オマージュだと思う。ジャケも大好き。
by barcanes
| 2017-02-10 11:46
| 日記
|
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