今年のCane's十大ニュース

12/21(水)

「今年はいい年だったな。」とアニキが言う。「仕事を辞めた2008年以来の転機になったよ。高血圧の薬も飲むようになったし。」2008年と言えば、「Voices Inside」が始まった年だし、自分もマラソンや山岳レースに出たり日々のトレーニングに勤しんだりして、新たな流れが生まれ始めた年だった。アニキも多分その頃からこの店に来てくれるようになり、そのうち「ダメ男」をテーマに朝まで飲み明かしたり、バンドを一緒にやったりするようになった。私がやらなくなるのと入れ替わるようにマラソンを始めたアニキは表彰台にまで上るようになり、この夏からの下半期はずっと一緒にFunkを聞いてきた。

ちょうど今年のCane's重大ニュースを考えてみたりしていたので、書き出してみようかな。(順不同)

①ロニー・レインの誕生日4/1の金曜日に、彼のレコードを聞く会をしたのをきっかけに、自然発生的に始まったのが金曜の夜のカウンターDJ。これがカウンター埋まる程度に小さくも盛り上がったのが面白かった。いつもレコードを回してくれているなじみの皆さんの、普段のDJイベントなどでは出しきれていないレコード・プレイのアイデアが、まだまだたくさんあるということを気づかせてくれた。人と一緒にレコードを聞く、という音楽の楽しみ方は無限です。

今年18回のFree Fridayの記録を書き出してみよう。こういうことが自然に始まって続くということに、店主である自分の意図を超えた面白さが、15年経っても生まれるこの場所を維持しているということに、私は喜びを感じます。

4/1 #0 ロニー・レーン70歳
5/6 #1 ドロ金①
5/27 #2 潤金① LP金
6/3 #3 バースデー キラ金①
6/24 #4 潤金② チャッ金
7/1 #5 ドロ金②
7/22 #6 潤金③ 温故知金
8/19 #7 タマ金①
8/26 #8 キラ金②
9/2 #9 ドロ金③ おじいサンバ
9/9 #10 関根金①
9/23 #11 潤金④ フィラ金
9/30 #12 ギラ金①
10/7 #13 ドロ金④ ラリ金
10/8 スピンオフ ビートルズ土曜日
10/22 スピンオフ キラ金DX
10/28 #14 関根金②
11/4 #15 タマ金②
11/18 #16 Gen金①
11/25 #17 潤金⑤ Do the Funky Chi金
12/23 #18 キラ金③

今年の参戦者は、マサオさん4回、潤くん5回、マキちゃん3回、関根さんとkzmxさんが各2回、テツさんGenさん各1回、となっております。年明け一発目は1/6(金)、ダメ男a.k.a.阿仁敬堂さんがいよいよ登場します。来年も皆さんの参戦ご参加お待ちしてます!

そして今週金曜日は年内最後のFree Fridayシリーズ、マキちゃんの「キラキラ金曜日」です。「今回は80年代少なめで、寒くなるとmakizooが個人的に聴きたくなる、キラキラ&思い出ある曲の数々をカウンターよりお届け致します‼︎当日は先着10名様に素敵なプレゼントを用意しております〜(本当です‼︎)」とのことです。

②バンドの練習セッションを(半分オープンにして)4月から毎月続けられたこと。7月だけできなかったり、毎回全員揃ったわけではないけど、みんなの気持ちが緩やかに持続して、月に一回の楽しみになったこと。下手なりに楽器をプレイして、自分たちなりに楽しめる時間とやり方を見つけられたことは、とても大きかった。

来年2/26(日)の、Cane's16周年+田火田14周年、合わせて30周年記念「Cane'sバンドvs田火田バンド」で、その成果が出せるかどうか分かりませんが、リラックスして楽しくやれればそれでいい。

③7月の「Voices Inside」で80’sソウル特集をやったことをきっかけに、80’sファンクに物足りなさを感じたFunkアニキと一緒になって、一からFunkを検証&研究しましょうという話になった。そんな夏からのFunk研究が今年下半期の小さくとも太い流れになった。それは音楽的なだけでなく、精神的な再確認をもたらしたと思う。自分やアニキが若い時に好きだったFunkyミュージックを、この歳になってこの耳で聞くことによってようやく分かることがあり、なんとなく感じていたことがやっぱりそうだったんだって気づくことができた。

これは来年2017年が67年の”Cold Sweat”から50周年に当たることとも関連して、来年はもっとFunkの年になるだろうという予感につながると思う。焦らずゆっくり、Funk研究を続けていきたい。

④昨年秋に思い切って購入した8チャンネルMTR(マルチ・トラック・レコーダー)で、今年はいろいろ遊べた。ライブやレコード・イベントを可能な限り録ってきた。8GBのSDカードを15枚使った。どんな面白さになるかは分からなかったけど、レコード・イベントを再放送して当日来られなかった人に聞かせたり、マルチ・トラックで録ったライブ録音を同じ会場で聞かせる、というおそらく滅多にない試みにもなったし、中にはその音源を自分でミックスするという楽しみを見つけてくれた出演アーチストもいた。それらがお金になるかといえばなってないのだが、面白がっていれば来年も面白くなるかもしれない。なかなかまとめてやる時間がないけれども、何かしら形にしなければならないなと思う。

⑤まえかわさんが連れてきてくれた沢田穣治さんとカツヲスペシャルの、6月と10月の2回のライブは、間違いなく今年のハイライトだった。MTRの録音もとても良く録れていて、CDにして売っていいという許可ももらった。(形にしてないけど。)そして、ブラジリアン・変態プログレ・フュージョンという勝手なカテゴライズの中から、「変態プログレ・フュージョン」という流れが来年に向けてつながってくる予兆があります。フランク・ザッパをはじめとする、来年の光の当て方にご注目ください。

⑥これまで9時からだった「Voices Inside」を、3月の8周年を機に7時スタートに早めたことで、ロス・ロイヤル・フレイムスや文屋さんバンド、ザディコ・キックスのライブをやることができた。レコード・イベントにライブをコラボできるという手法が来年にもつながると思う。Voicesは6月には100回の大台を達成。毎月一度も欠かさずに続けてきてくれたことが、お店の存続の大きな支えになってきたのだと、今になって気づきます。

⑦3月のカオリーニョ藤原2デイズには、大儀見元さん、中島徹さん、高橋ゲタ夫さん、Chakaさんという当店にはあり得ないようなスゴいメンバーが来てくれた。こちらからは一度もオファーしていないにも関わらず、何度も何度もすごいメンバーを連れて来てくれるカオリーニョさん。大阪下町の大御所。西成のスター。

カオリーニョさんは8月には「浪花クレオール&アンドウケンジロウ」でも来てくれて、12月には「女勝りバンド」も予定していたが、まさかの急病でキャンセルになってしまった。すでに退院してライブ活動を再開しているらしいが、お身体を大切にしてほしい。そしてホントにお元気なうちに、カオリーニョの凄さの全てを多くの人に分からしめてほしい。

⑧11月のロケデリ閉店を、私は9月に本人から聞いていた。愛すべき店がなくなるという現実を、私は我が事のように感じてしまって、とても辛かった。そんなことねえよ、と本人は言っていたけど、なくなってしまってから気づくことがあるということが、あるに決まっているからこそ辛い今年の事件だった。

⑨夏から秋にかけて、高校野球、オリンピック、そしてカープとスポーツ観戦が熱かった。今年はカープ嬢と一緒に多くの時間を過ごしたのもいい思い出だ。できることなら、あの人も一緒にスポーツ観戦したかった。

⑩そしてなによりも、あの人が亡くなったこと。6/1が命日となった。そのたかだか2、3日前に店に来てくれたのが最後だった。その喪失感は拭い難く、半年経ってその不在にようやく慣れてきたというところ。母が介護に苦闘した祖母が亡くなったり、今年も多くの訃報があった。ルディ・ヴァン・ゲルダー、フィデル・カストロ、そして平尾誠二。ミュージシャン以外の死がことのほか響いた。音楽を形に残すことのできた人は、それほど悲しくはない。

以上、Cane's2016年の十大ニュースでした。先のFunkアニキとは特に②と③の、バンドとFunk研究で多くの時間を共にした。「こういう変なFunkをかけてくれる変な店が無くなっちゃ困るから、続けてください。」ってこの日も変な褒め方で言ってくれた。儲からなくても続けていくことができる、というのもある種のビジネス理論かもしれない。いろんなことが続いたり止まってしまったり、それでも今年は来年に続いてゆくようなことがたくさんあった。不在が続いてゆくことも含めて。だから今年はやはりいい年だったと思う。良いことも悪いことも続いてゆくし続けてゆく。

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今年もクリスマスの手作りリースを母が持ってきてくれた。ちょうど職場のためのクリスマスの飾り付けを買って大きなレジ袋に入れて持ってきていたアニキがそれを見上げて「Funkを感じますね。」と言った。生の枝葉の香りの生気が漂っている。この生気のFunkが、唐辛子の赤が、邪気を祓い良きものを迎え入れる聖なる飾り付けとなる。そういうものを毎年作ってくれる母もまたずっと前からFunkだったのだし、母の手料理もまた自分にとってのソウル・フードだったのだと思う。

そんな身近なものにFunkを再認識し、それらのひとつひとつが何かを前に進めようとしていたのだと気づけば、この2016年も来年につながっていくだろうと感じることができる。ところがFunkは限界以上に体力を奪ってしまうもの。JBは一度うずくまってからマント(ケープ)をかけられて復活する。倒れては復活し、力尽きて寝てしまっては凍えて目が覚め、明るい時間に家に帰る。それもまたFunkではある。ではあるけどなっちゃんに「お父さん機嫌が悪いの?笑顔じゃないとみんなが楽しくないよ」と諭される。ごもっともです。

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入り口に飾ってある別の形のも母の手作りリースです。


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by barcanes | 2016-12-22 05:49 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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