握手するフィデル、偶像となる
2016年 11月 27日
私はゲバラやフィデルの革命の話や、その何かしらが未だに続いているキューバという国に興味を持ったことがあるが、小説読みでもないしヘミングウェイが特に好きというわけでもない。だけどなんとなくこの写真が好きで、特に意味も分からないまま店に飾ってきた。
小さきものが大きなものを倒す。この点において両者に共感があった、というようなことを後にフィデルがかたっているそうである。大魚を仕留めたアメリカの個人主義的な芸術家と、アメリカ傀儡政権に打ち勝った組織を束ねる革命家が固く握手をしている。全く異質に見える両者のどこかに相通ずるものがある。
そんなふうに考えてみると、この写真をバーのカウンターの片隅に掲げたことには意味を見つけることもできるかもしれない。異質な人間たちが集う場で、何か相通じるものを見つけることができたら、それだけで素晴らしいことではないか。握手とは約束ではなく、その後のことは分からない。
老人はこの後2年たらずで自死を選び、若き司令官は革命の続く限り生きた。そしてついに、偶像崇拝を嫌ったといわれるフィデルも偶像となった。この写真もイコンとなり、人それぞれに意味を持ち始めたということになるわけであろう。
85年のインタビューと91年の演説を収録した「カストロ 革命を語る」1995年。
WARの71年3rdには"Fidel's Fantasy"という曲が入っている。アルバムの最後で、"goodbye, Fidel"というセリフが笑いながら何度も繰り返されている。
by barcanes
| 2016-11-27 05:40
| 日記
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