SOUL POWER

11/23(水)

先日のマサオさんの忘れ物のJimmy McGriffを聞く。ヌワーク、NJのライブ、71年"Black Pearl"。まさにこの時代のファンキー・ソウル・オルガン。同じくVoicesの時にマサオさんがかけていたRufus Harleyの入ったソニー・ロリンズのアルバム、私も持っているのを思い出したので聞いてみる。74年のファンキーなライブ盤"The Cutting Edge"。ハーレイが入っているのは一曲のみ。同じく70年代のロリンズ、75年”Nucleus”は時代柄、George Duke、Black Bird、Bennie Maupin、Chuck Rainyなどジャズ・ファンクなメンバーを集めてみたもののちょっと大雑把でした。

初めてっぽい男性。話しかける言葉が見つからなかったので、そのままにしておいてみる。お酒をゆっくりお代わりして、「また来ます」と言って帰っていった。そんな気もしていたが、そんな方がいいのかもしれない。黙ってケータイをのんびり邪魔されずにいぢくりたい時もあるかもしれないし、なんとなく大きい音でジャズが流れているのが気持ちいいかもしれない。そして知らない店でわざわざ話の合わないかもしれない人と話したくもなかったり、下らない世間話とか天気の話とかで話しかけられたりもしたくないだろう。人の気を察しているつもりで、ただ自分がそうなだけ。

しかし、もし次に来た時にはきっとガッカリするだろう。ジャズのお店だと思ったら、歌謡曲とか下世話なファンクとか暗いドヨーンとした音楽だとか、全然違うものがかかっているに違いない。でも一度来て下らない話をしてガッカリするよりは、2度目にガッカリする方がいいかもしれない。ガッカリしない可能性もあるし、そもそももう既にガッカリしている可能性もある。

そのまま70年代のサックスものでも聞いていこうかと思ったが飽きてきたので、こないだJ君にお借りしたVan MorrisonのBox SetのDVDでも見てみる。73年のライブ。つっ立ったままのジェイムズ・ブラウン。サックス奏者がフレッド・ウェズリーとなってバンドに合図を送り、ストリングスの入ったやや小ぶりなソウル・オーケストラを小さな身動きで支配し君臨する王様ヴァン。ファンキーなベースがいたずらを仕掛けるが王様は動じない。最終盤になってようやく暴れ始めたと思ったら、にこりともせずにそのまま立ち去ってゆく。シンプルなパートを多く繰り返させて、ファンキー・ソウルを自分のものにしようとしているかのようだ。

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祝日前夜さらにヒマなので、これもお借りしているDVD「ソウル・パワー」を見ちゃうことにする。上映会で見るつもりだったが、その前にチラ見。74年ザイール(現コンゴ)での音楽フェスのドキュメンタリー映画。アリとフォアマンの世界タイトル戦の際にJBとファニア・オールスターズが演奏しに行って、それを若き日のパパ・ウェンバが見ていただろう、なんていう話をどこかで読んだことがあったが、それはきっとこの時の話で、実際はクルセイダーズやスピナーズ、ビル・ウィザーズなどのアメリカ勢に加えてアフリカのミュージシャンもたくさん出ていた、おそらく世界初のブラック・ミュージックだけのワールド・フェスなのだった。

おそらく映画化することで採算を見込んでいたようで、実績あるカメラマンが入り、フィルムも多く残された。しかし実際にはタイトル戦が延期となって集客が見込めず、経費だけがかさんで映画化まで予算が回らなかったのだろう。そのままお蔵入りしたフィルムが発掘され、これは数年前にドキュメンタリーとして完成されたものだ。多くのアメリカ勢黒人ミュージシャンが、初めて訪れるアフリカに自らのルーツを感じて感激している様子と、アフリカ勢との交流を前面に押し出していて、74年当時のブラック・パワーの表現したい世界観が見てとれる。

一緒にお貸しいただいたパンフレット(しゃしん)にある解説のとおり、それは60年代の理想、アフリカの植民地支配からの独立や、アメリカにおける公民権運動、がひと回りした後の話である。口ひげをたくわえた、ビジネスマンとして全盛期のJBが、オフステージでも機嫌よく、率先してそのアフリカ訪問の感激や意義を語るのはどこか芝居じみている。それもそのはず、JBがアフリカを訪れるのはこれが初めてではない。少なくとも70年のアフリカ・ツアーがある。白人投資家と一緒になって、JBはこれを儲かるビジネスとして、アメリカのブラックたちに大ヒットする感動の音楽映画となるように自ら演出していたはずだ。

当時この映画が実現していたら、どのようなものになり、そしてどのような反響があっただろうか。JBの人生は違ったものになったかもしれない。ただあの冷ややか(冷や汗?)な投資家の目が気になる。後になって作られたこのドキュメンタリーにあの投資家を登場させたところに、制作者の意図を感じる。これはそもそもJBの思い描いたような感動の映画にもならなかったかもしれない。フェス自体も成功ではなかったのだろう。どちらにせよ、作品としてはもうひとつ感動できないモヤモヤ感が残った。

それでもファニアの面々とセリア・クルーズの楽しげなリハーサル・シーンやクルセイダーズの熱い演奏、デビュー前のシスター・スレッヂや初めて見るコンゴのバンド、モハメド・アリの弾丸トークなど、見どころは多かった。そして何より登場のっけからダンスで飛ばしまくるJBの責任感にやられました。ダンサーまでいる大所帯のJBズの演奏シーンをもっと見たかったなあ。

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こちらは73年の未発表音源CD3枚&未発表映像DVD1枚の豪華セット”It’s too late to stop now... Volume 2, 3, 4 & DVD"でした。


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by barcanes | 2016-11-25 14:44 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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