亀男とリチ男のFunk研究

10/19(水)

この日のFunkアニキ改め「亀男アニキ」によるFUNK講座は、Commodores75年の3rdアルバム”Movin’ On”から。アラバマ出身で、MOTOWNには珍しい自給自足FUNKバンド、コモドアーズは、このアルバム収録の”Sweet Love”からライオネル・リッチーのバラード路線が始まり、80年にソロ・デビューする布石となっております。多くのFunkバンドがディスコ化し、ボーカルは独立していきます。西海岸移転後のMOTOWNですから、JACKSON5と同じ流れ。そしてやはりスライやWARなどの西海岸FUNKのいいとこ取りを感じさせます。ギターのカキコキしたカッティングが前面に主張しています。
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そして、大所帯ファンク(12人編成?)からどんどん人数が減ってゆくリストラFunkとして知られるカメオあるいはキャミオ。1982年”Alligator Woman”は、いきなり半数ぐらいリストラして5人になります。Chocolate City レーベル(パーラメントと同じCasablanca傘下)最終作。ホーン・セクションを捨て、リズム隊も半分捨て、レーベルもなくなり、いろんな意味で革新の時代だったのでしょう。ラリー・ブラックモンの仕切り度は上がっていき、80’s Funkは少人数化し、Funk初期のブラック・ロックへと回帰すると言えなくもない。FUNKバイブルのアルバム評には「評判以上。ニュー・ウェイヴ・ファンクの一撃。」とFunk必聴度満点の五つ星が付けられております。
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アルバム収録曲は特にB面で一曲毎に個性がバラバラ、多様化していきます。なんでもやりたいことやっちゃってるうちに、全方位的で多重人格的に、もはやFunkはミクスチャー音楽と同義になってゆく。雑多にごちゃ混ぜしてから次元を落としてスカスカにしてゆくような洗練を感じます。もちろん下品さとおふざけは常に忘れません。

その全方位的な傾向は84年”She’s Strange”でさらに進み、メンバーもさらに減って4人に。自由と継続のためにはバンドはスリムになってゆくしかないのかもしれません。ほとんどQueen、あるいはプログレ、UK的なエンタメ感を取り込んでおります。これには理屈を超え、音楽好きの皆さんの言葉を押し黙らせるようにして、表裏一枚を通して楽しませてくれちゃいました。最後はレゲエにまでなっちゃってます。こちらの評価は一言「まとまりなし。」
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Stax時代のBAR-KAYS、”Gotta Groove”(70年)、”Black Rock”(71年)の2-in-1CDはずばり、サザン・ソウルからスライへの回答。StaxやAtlanticの重く、あるいは速いビートからスライのFunkが生まれたのなら、俺たちの方が先だもんね的な後出し感は、さすが伝統の「不死身の」バーケイズ。”Yesterday”や”Hey Jude”のフレーズにファンクを見出すビートルズ・カバーも興味深いです。

最後はコモドアーズに戻って、74年の1st”Machine Gun”。メジャーなFunkバンドとしてはやや遅いデビューにして、この時点での強烈Funkいいとこ取りの最強盤と言ってもよいではないでしょうか。ライオネル・リチ男(©︎石橋貴明)さんにはやはり卓越したポップ・センスがあったとしか言いようがありません。密かに半音階進行のコードワークが工夫されていたりして、その気持ち悪さが気持ち良い。そんないいとこ取りできちゃうような器用さが、Funkからの転向を早めたのかもしれない。「単に流行りの仕掛けとしてファンクをやっていただけ(中略)黒人革命から生まれた音楽とは縁が薄かったようだ。」とFunk本の著者(リッキー・ヴィンセント)は突き放しております。
亀男アニキとのFunk研究は毎度面白い。来年あたりにはその成果が発表できるのではないでしょうか。


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by barcanes | 2016-10-20 03:04 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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