引きずっていこう

6/15(水)

8月に初めての試み、演劇をやることになった。でもどんなお芝居なのか、どんな劇団なのか、どんなお話なのか、全く知りません。でもやってみなきゃ分からないから、やってみる。どうなることやら。こういう新しい話を持ってきてくれる、ということに感謝しなきゃいけない。

わりと体調も精神状態も良くないので、2時になったら閉めようと思っていたら、その2分前に来客あり。前日にも話をしかけたけどもう明るくなっていたから、話し足りなかったことを話しに来てくれたんだ。

二人でこの2週間のことを報告し合い、もう2週間も経つのだ、自分が引っかかっていること、受け流せばよかったようなこと、「スルー・スキルを上げろ」と。そしてどうしたって引きずってしまうことを、引きずっていこうと。

15年来の客人であるヤツの、髪が長かった頃とか、最初の頃のお店の写真や地引網の時の写真を掘り出してみた。2006年頃まではまだデジカメやケータイの写メの時代ではなかったのか、写真をプリントしてくれていたのだろう。その後の写真というのはあまりないのだ。

そこにはいろんな人が写っていて、お店にはいろんなお酒が並んでいて、ヤツはそのほとんどの人と会ったのだし、それらの良い酒が安く買えた時代の良い酒(ヒドかったのも)のほとんどを飲んでくれたのだった。ヤツも僕も、そしてそこに写っているけどもう来なくなってしまった人たちも、みんな若かった。15年も経ってしまった。あの人がいなくなってしまって、自分とヤツだけがこの同じ場所に、そのまま取り残されているような気がした。

それは切なさを通り越したようなヒドいやり切れなさで、あの頃はよかったねなどという甘酸っぱいはずのものから次第に、ビンの底に残ってすっかりアルコールの抜けてしまったラムのような、なんとも気の抜けた、飲み込めない気分へと変わっていった。取り返しのつかないことばかりを積み重ねてきてしまったなという、惨めな思いがした。飲み込めない代わりに最近買ってまだ開けてなかった高級ラムの封を切って、二人で飲んだ。美味いなやっぱり。落ち込んでる時には安酒より美味い酒がいい、という経験則を久しぶりに思い出した。

あの人がいなくなってしまって、全てが色褪せてしまった気がした。思い出には色をつけてくれる人が、肉付けをしてくれる人が必要なのだ。それなのについ昔のことを懐かしがってしまったりして、でも、そういうことが今の僕らには行程として必要なんだろう。まだ、しばらくは、引きずっていこうよ。

そして外はすっかりと、色のついた朝だった。
c0007525_05211524.jpeg
美味しいラムはこんな顔をしてます。サマローリのキューバ98年ヘミングウェイ・ボトル。



[PR]
by barcanes | 2016-06-17 05:17 | 日記 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://barcanes.exblog.jp/tb/25709630
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 何も語れない人たち 組み合わせ >>