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ライブ5連チャン最終日 セッション・エチオピア#9


ほすと中西文彦さんよりゲストの阿部紀彦さんが先に到着。今日なにやるか聞いてないんだよねーと若干不安そうだ。でもそういうときはむしろ、いいセッションになりそうな気がするものだ。リハで譜面を示しながら流れを確認して本番勝負といった感じ。「シゴトばっかりしちゃってるから、本気のセッションなんて久しぶり。弾けるかな。」なんて謙遜されていたがさすが、緊張感のあるいい演奏だった。曲に対する謙虚で丁寧かつ柔軟な対応。ベテランにして若々しさを思わせるようなフレージングにフレッシュな清々しささえ感じた。
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若くして老成を感じるような音もあれば、年を経て若々しいプレイというものもある。レコードの中でいつまでも若くいられるということが音楽にはあり、そしてあの頃より今の方が若い(My Back Pages)ということも音楽の中ではありうる。

それは音楽の中でありうることなのだから、我々の人生にもありうることなのだろう。そのはずだ。音楽のプレイが我々に与える幾種もの感動のうちのひとつは、そのようなものだ。抽象的なものが具体的に響いてくるようなものを、私は感動と呼びたい。(余談だが昨今、選手宣誓なんかでスポーツ選手が「感動を与える」ことを誓ったりするのは甚だ遺憾である。)

せっかくの演奏を、録音してたはずだったんだけど、セーブに失敗して消してしまったのが残念だった。消えゆく若さ、それもまた然り。

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この5日間で入手した作品群。左から、トシバウロンが最近一緒にやっているという児玉峻さん(バセルバジョン)とのDUO「Koenji to Korea」、ポスポスのイベントに出てくれたSafの「ファースト」、マルコス・フェルナンデスさんのDVD「sounding the space 空間を奏でる」、今西太一さんの新譜「50 FIFTY」、そしてこの日の演奏前に阿部さん中西さんと一緒に全編聞いたシャンゴーズの新しいライブ盤「The Xangos Live at SAD CAFE」。

この濃厚な5日間連続ライブを味わったのは、もちろん私だけ。複数の参加者さえ皆無だった。それもまた現実として受け止めなきゃならない。もっとライブに来てほしい。このスペシャルな5日間をもっと多くの人と共有し、共感したかった。自分のそんな素朴な欲求をアピールするなり宣伝する、力のなさを痛感した。お客さんの多寡に関わらず、ただ、音楽がよいものであってくれることだけが心の支えである。


by barcanes | 2015-12-01 06:18 | 日記 | Comments(0)