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ウィルトン・フェルダーと今夜の音楽


Wilton Felderの訃報。Bobby Womackが2曲歌ってる85年のソロ作「Secrets」と持ってるクルセイダーズのレコードなどを聞く。そしてベーシストとしての数々の華々しい客演、調べ始めたら枚挙の暇なし。
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それにしても、いつからベースを弾き始めたのだろうと。ジャズ・クルセイダーズ時代はあまり売れなくて仕方なくセッション仕事に出るようになった、とか何かで読んだ気がするけど。僕の持ってる音源の中では、Richard "Groove" Holmes「The Best Of The Pacific Jazz Years」に入ってる68年のセッションでベースを弾いてるのが一番古かった。同じ68年のセッションではバリトン・サックス吹かされてます。(しかもソロなし。)基本左手ベースのグルーヴ・ホームズですから、とりあえず俺の左手見ながら弾いとけ!とか言われたんでしょうか。ジミー・スミスの「Root Down」のCDでは中ジャケ(レコードでは裏ジャケかな)の写真、ジミーさんの左後ろに陣取って、今日のセッションどんな曲になるか分かんないけど左手の動き追っとけば付いていけんべ、的なウィルトンさんの姿が印象的です。

同じオルガン・ジャズでは69年、Charles Kynardのアルバム「Reelin' With The Feelin'」ではテナーを吹いてます。そして同じ69年のJackson 5 "I Want You Back"になるわけなんですが、このベースだけ抜き取ったのyoutubeにありますけど、これホントに本人の音なんでしょうか。なんか下手くそ感ありますよね。いわゆるヘタウマって言うんでしょうか、この余計な手癖感のないシンプルかつタッチの適度に荒れる印象的なベース・ラインが評判良かったんでしょうかね。あるいは、もうちょっと練習しとけよ!みたいな。

それで、僕の持ってるものではしばらく空いて、72年には2月の「Root Down」、4月のDonald Byrd「Black Byrd」、Grant Green「Live At The Lighthouse」と録音が立て続き、Joni Mitchell、Randy Newman、Seals & Crofts、そして73年にはMarvin Gaye "Let's Get It On"、Billy Joel "Piano Man"、Jackson Browne "Sing My Songs To Me"などと続いていきます。

他にも勿論いろいろありますけど、とりあえず自分の持ってるものだけ書いてます。時系列で見ても、ジャズもソウルも白人シンガーでも、そしてその間に自分のバンドもあって、めちゃくちゃまぜこぜ。改めてスゴいなこの人。しかもクルセイダーズではベース他人に任せて自分はサックスっていう。その後はソロ作やプロデュースも。誰か特集やってください。断然サックス吹きのイメージだと思ってたんですが、こうして振り返ってみると72、3年の参加作なんかに僕は結構やられたクチでした。

ニューソウルやSSWの交流華やかだったこの時代のアメリカ音楽のふくよかさの裏方として、また一世を風靡したソウル・ジャズ/フュージョン・チーム(あー、クルセイダーズ生で観ときたかったな)の看板奏者として、表の顔も裏の顔もある人って他にいる?あ、やっぱりボビー・ウーマックか。

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最近よく来てくれている女の子二人が、そろってカウンターに貼ってあるチラシの「ポスポス」とは何ぞやと興味を持ってくれたので、それではお聞かせいただきやしょう、アコーディオン時代の名作「現代の冒険」2009年と円盤レーベルから出た「空飛ぶ円盤に遭遇の仕方を教えて」2013年。ついでに11/7のポスポスのイベントに共演するガスさん(Augustus Browning)が在籍していたサン・ラや以前のイベントに出てくれたムスキ・アルバボ・リー君などを。
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こうなると次に何を聞けばよいか分からなくなるけど、なに聞く?なんか変わったジャズがいい?あ、そう。それなら、こんなのどう。声明VSジャズ。前田憲男、西条孝之介、猪俣猛などが般若心経と対決した「仏陀/BUDDHA」(1977年CBS/SONY)。あ、こういうの好き?和洋な感じね。じゃあさ、オレいち時期「民謡ジャズ」にハマってさ、「古谷充とザ・フレッシュメンの民謡集」これサイコーでしょ?「通りゃんせ」がさ、マイルスの「'Round Midnight」そのままでしょ。弘田三枝子と江利チエミ、それから東京キューバン・ボーイズのも、いいでしょ。グッとくる?そしたらさ、とっておきの出しちゃう。音悪いけどペレス・プラードの「Prado In Japan」(1960年VICTOR)。「サクラ・サクラ」とか「浜千鳥」とかやってるの。「マンボNo.5」とか超高速でさ。みんなが知ってるメロディーを寸止めで止めちゃうだけでさ、完全に観客を掌握してるよね。
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あれ、もうこんな時間?マンボときたらムードだね。「真夜中のラテン・ムード・デラックス」(1968年VICTOR)。松本英彦のムード・サックス最高。ムード歌謡好きなんだよね~。ロクでもないものばっかりなんだけどさ。大概は小遣い稼ぎにムダな仕事しちゃったんだろうね。(ウィルトンさんの小遣い稼ぎとは・・、。)でも時々いいリバーブ効いてるのがあるんだよね。オレ、ムードDJになろうかな。DJネームどうしようか。ムーディーなんちゃらって芸人いたね。ムーディー使えないな。ムード、ムーディー、ムーダー・ゲン。これいいんじゃない?ムダ毛みたいで無駄っぽくて。


by barcanes | 2015-09-29 06:17 | 日記 | Comments(0)