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8/6 シュガー・ベイブ三昧いや十昧


この月火水の平日三日間の出来事。先日の発掘レコードから見っけた、細野さんがプロデュースしたシナロケの「真空パック」。横浜赤レンガで展示が行われている「70's Vibration」に行ってきたアニキが置いてった「SWITCH」の特集号。発売日前日に持ってきて聞かせてくれたSugar Babe「SONGS」40周年のアナログ2枚組。1枚に収まるはずのものを33回転2枚に振り分けたのは、内周の歪みを避けるためか。1曲目から音圧がすげェと思ったのは、新バージョンのアナログは良いに違いないというプラシボ効果ってヤツか、80年代の「Niagara Vox」所蔵の同盤と聞き比べてみたら、それほどの差はなかった。
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それでも2曲目「Down Town」のリバーブ感には歴然の差があり、エアー感がロー気味から上方に軽やかになっている。何度も焼き直ししているアルバムだから、それでもさらに良くしようというエンジニアたちの細やかな愛情が、細やかなイコライジングに表れているようなサウンドがする。リマスタリングとは、かようにもサウンドに愛をもたらすものだと思える。スピーカーのセッティングを工夫して、大きい音でレコードを聞くことの幸福感よ。旧盤と合わせてこの日だけで4回しは聞いた。
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翌日には別の人からCD2枚組のバージョンを聞かせてもらう。アナログ盤と同じリマスター・バージョンは、明らかにアナログの勝ちだろうと高をくくっていたが、スピーカーの設定によっては全く判別不能。やはり一般的に言われるように、ベースやキックなどローの豊かさが若干違うが、これは再生装置の問題もあるからリファレンス不可。EVのスピーカーで聞くとCDはやはりハイ上がりで固い感じがする気がする。というか、たぶんレコードのカッティングがスゴいんだと思う。よく分からないけど。

良く言えば、というのは僕の店にとってだけど、CDでもレコードでもほとんど同じ音で聞けるってことです(笑)。みんなで聞き比べたけど、結論、みんな違いが判らない。でもやっぱり、レコードで聞く方が圧倒的に多幸感があるんだよなあ。ローの感じの違いが奥行きに出るのだと思う。特に上原ユカリさんのドラムが生っぽくて、しかもよく聞こえる。今回のリマスターはユカリさんのドラムを聞くためにある。かも。あと酒が入ってる方がリスニングするには幸せですね。全体が混じり合って聞こえてきますね。

そして今回の目玉はリミックス版なんでしょうけど、CDはこちらでしょうね。90年代に大瀧さんがマルチ・トラックをデジタル化していたそうで、それを達郎さんがリミックスしたもの。こちらはボーカルが全然違う。とくに大貫妙子の声がよく出ている。リバーブも効いちゃってる。逆に達郎さんの声は加工したものを取り除いた素な感じ。歌を聴くならこっちなんだろう。全体を聞くならリマスター版かな。オリジナル・ミックスが勝っちゃうというのは、僕も保守的なのかな。

CDにはボーナス・トラックが入ってて、これはユカリさん大活躍。面白かったのはカラオケ5曲。これをみんなで静かに聞いてると、若い女の子が「カラオケ・バージョンってこうやって楽しむためにあったんですね」と言う。確かに楽しんで聞いていた。メイン・ディッシュのない料理、というかツマミのない酒場。うちみたいな場所にはあまりにもぴったりだ。このマイナス・ワンを楽しめるというのが大人っちゅうことよ。失くしたものがあって初めて気付くものがあるのよ。確かにね、聞いてなかった音が聞こえてくる。バッキングのギターのフレーズがなんか恥ずかしくなったりして。陰でコチョコチョやってるのがバレちゃった、みたいな。自分じゃないのにね。

というわけで週末のYMO特集に向けてYMOを予習したいなと思いながら、2日で10回しは聞きましたね「SONGS」。日本中でこんなことやってる人たちが100人ぐらいはいたんでしょうね。いやもっとかな。そんな発売日に上原ユカリさんと高満洋子さんのライブを観に行ってきた方が持ってきてくれたのは、こちらも発売イベントだった高満=上原DUOの新譜「Penny Days」。ユカリさんのハイトーンのボーカルが涙腺を刺激する佳曲です。


by barcanes | 2015-08-06 07:12 | 日記 | Comments(0)