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大口さんと中西さん

昨年春に「シャンゴーズ」との共演として大口純一郎さんが来てくれた。今日はそれ以来の大口さん。中西さんとはいろいろな共演があったそうだが、お二人だけのデュオはなんと今回が初めて。中西さんもデュオをやりたいとずっと言ってたし、僕にとってもまた大口さんを呼んでもらえて念願叶ったり。

実はお二人の都合が合わず、リハはこの日のライブ前のみ。これまでの共演曲などを2時間以上みっちりやっていた。僕はどんなものになるのか内心不安でもあったのだが、本番の出来を聞けば実にお見事であった。

この日のサウンド・チェックは、ピアノもギターも左側のチャンネルにかなり寄せる、というやり方でうまくいった。中西さんのギターにはマイクで外音を足し、ラインのチャンネルにだけリバーブをかけた。ときおりベースパートの音を強くしたいときなどに、ギターをマイクに近づけるなどして強弱をつけていた。この日の中西さんのギターはいつにも増してエレガントだった。緊張感もまた魅力であり、ラフさと緊張感の対比がひと際の美しさを生むのでしょう。

そして、大口さんのタイミングをはかる手の動きに私は魅了された。ブラジルの曲は独特のシンコペーションがあり、ましてパーカッションはいない。リズムのズレは格好良さでもあり、ラフさも然り。しかしその分リズムが不安定になるところもある。そんなときにも果敢にフィルインを入れていく大口さんの右手の動きを、私はきっと忘れないだろう。

一曲だけ弾いてくれた大口さんのソロ(ベサメ・ムーチョの作者の曲)や、ピアノで弾く曲じゃないよねというバーデン・パウエルの「シャンゴーの歌」、(小林麻美の「雨音は・・・」に似ていてどこか日本の歌謡曲的な)ドリ・カイミの「アマゾン川」、中西さんオリジナルのタンゴ、と続いた終盤など、聞きどころの多い素晴らしい演奏だった。

この日もお客さんは女性ばかり。ライブ・ミュージックは女性に支えられているんだなと感じるこの頃であります。(一方で、男子は録音物に向かうのです。そう、男子は「過去」と「モノ」と「残すこと」が好きなんでしょうね。)
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談笑するお二人と真剣なお二人のこの対比もまた、美しさなのです。
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大口さんは「また秋頃に来る!」とおっしゃってます。みなさんぜひ楽しみにしていてください!
by barcanes | 2013-06-18 05:35 | 日記 | Comments(0)