コルコル・アグリコール
2012年 07月 02日
【今日のラム】
・コルコル・アグリコール
しばらく欠品していたのですが、久しぶりに買ってきました。沖縄・南大東島のホワイト・ラムです。「アグリコール」というのはフランス・マルチニーク島のラムの製法で、サトウキビの絞り汁の全量を使います。通常のラムは、サトウキビの絞り汁から砂糖を精製した、その残りを使うんですよ。その残りのことをなんと言うか知ってますか?糖蜜というと聞こえはいいのですが、廃糖液とも言うのです。このいかにも残りカスといったものを醗酵させ蒸留したものが通常のラムなんですね。
ラムもウィスキーなどと同様、蒸留したては当然無色透明です。色がつくのは基本的には樽の色、焦がした木の色です。ホワイトラムは金属製のタンクなどで2,3年寝かされてから出荷されるそうですが、樽などで色のついたものを濾過して色を取るという話も聞いたことがあります。要するに、蒸留したてのホワイトラムがそのまま出荷されるわけではない、ということです。蒸留したての原酒は基本的に荒々しく、品質も安定していないんですね。少し置くことで角が取れ、口当たりは軽く丸みを帯びます。
「コルコル」は2005年ぐらいから生産、販売を始めた新しいラムで、無添加をウリにしています。日本には他に3箇所ほどでラムを造っているのですが、すべてが添加ラムなんですね。そしてアグリコール・ラムを出したのも良かったし、さらに熟成が短かったのも良かったんですね。なぜならアグリコールの本場マルチニークのホワイト・ラムでも、いかにも熟成が短いといった感じの若々しいものにはなかなかお目にかかることがないからです。
今回買ってきたものは年号表示がなく、以前のものとは口当たりが少し違う気もします。「2006」の表示のものが長く出回っていたようで、それは当然のように瓶内熟成して味が丸くなり、まろやかになっていたのかもしれません。それに比べ今回のものは(瓶詰めが2011年12月)、ボディーがやや薄く、若々しいトンガリ感と、サトウキビの絞り汁をそのまま煮詰めれば黒糖になるような雑味感や臭み、草のような青々しい香りが楽しめ、ラムとは言え洋酒というよりは黒糖焼酎のような和風の風合いを感じさせます。
マルチニークのアグリコール・ラムは若い原酒の持つ独特の臭みが樽熟成によって華やかな芳香に変わっていきます。若いときの臭みが熟成によっていい味や香りになるんです。臭みのないやつには臭みのないなりの味の出方というのもあるんでしょうけどね。でも臭みのあるヤツの方が将来の風味がどのように変わっていくか楽しみなんものなんです。そのような場合の臭みとは、将来いい味になるような若い頃の臭みとは、それはいい意味の臭みなんですね。ですから「臭い」というのは我々にとってはもはや悪い意味ではないわけなんです。
コルコルの臭みも、きっとまあまあ面白い味になるのではないでしょうかね。コルコルの原酒はきっと樽に入れられているはずですけど、そろそろ出てこないんでしょうかね。楽しみにしてるんです。
・コルコル・アグリコール
しばらく欠品していたのですが、久しぶりに買ってきました。沖縄・南大東島のホワイト・ラムです。「アグリコール」というのはフランス・マルチニーク島のラムの製法で、サトウキビの絞り汁の全量を使います。通常のラムは、サトウキビの絞り汁から砂糖を精製した、その残りを使うんですよ。その残りのことをなんと言うか知ってますか?糖蜜というと聞こえはいいのですが、廃糖液とも言うのです。このいかにも残りカスといったものを醗酵させ蒸留したものが通常のラムなんですね。
ラムもウィスキーなどと同様、蒸留したては当然無色透明です。色がつくのは基本的には樽の色、焦がした木の色です。ホワイトラムは金属製のタンクなどで2,3年寝かされてから出荷されるそうですが、樽などで色のついたものを濾過して色を取るという話も聞いたことがあります。要するに、蒸留したてのホワイトラムがそのまま出荷されるわけではない、ということです。蒸留したての原酒は基本的に荒々しく、品質も安定していないんですね。少し置くことで角が取れ、口当たりは軽く丸みを帯びます。
「コルコル」は2005年ぐらいから生産、販売を始めた新しいラムで、無添加をウリにしています。日本には他に3箇所ほどでラムを造っているのですが、すべてが添加ラムなんですね。そしてアグリコール・ラムを出したのも良かったし、さらに熟成が短かったのも良かったんですね。なぜならアグリコールの本場マルチニークのホワイト・ラムでも、いかにも熟成が短いといった感じの若々しいものにはなかなかお目にかかることがないからです。
今回買ってきたものは年号表示がなく、以前のものとは口当たりが少し違う気もします。「2006」の表示のものが長く出回っていたようで、それは当然のように瓶内熟成して味が丸くなり、まろやかになっていたのかもしれません。それに比べ今回のものは(瓶詰めが2011年12月)、ボディーがやや薄く、若々しいトンガリ感と、サトウキビの絞り汁をそのまま煮詰めれば黒糖になるような雑味感や臭み、草のような青々しい香りが楽しめ、ラムとは言え洋酒というよりは黒糖焼酎のような和風の風合いを感じさせます。
マルチニークのアグリコール・ラムは若い原酒の持つ独特の臭みが樽熟成によって華やかな芳香に変わっていきます。若いときの臭みが熟成によっていい味や香りになるんです。臭みのないやつには臭みのないなりの味の出方というのもあるんでしょうけどね。でも臭みのあるヤツの方が将来の風味がどのように変わっていくか楽しみなんものなんです。そのような場合の臭みとは、将来いい味になるような若い頃の臭みとは、それはいい意味の臭みなんですね。ですから「臭い」というのは我々にとってはもはや悪い意味ではないわけなんです。
コルコルの臭みも、きっとまあまあ面白い味になるのではないでしょうかね。コルコルの原酒はきっと樽に入れられているはずですけど、そろそろ出てこないんでしょうかね。楽しみにしてるんです。
by barcanes
| 2012-07-02 22:46
| お酒
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